第1章 光をもとめて
第9話 リーザスの王女
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としているのを見て、強くは言えなかったのだろう。彼は、何故だか盛大にため息を吐いていた。
真知子は、何事か、と思ったがその《男の子》と思っていた彼がゆっくりとした動作で、ギルドカードを差し出した。
「オレは、キースギルド所属している冒険者のユーリだ。……歳は《18》」
「……ええっ!!」
「……う、うそっ!!」
その告白に驚きを隠せない様子のお2人さん。真知子に至っては、自分よりも歳が4つも上だという事に驚きが隠す事が出来なかった。普段からポーカーフェイスだと言うのに、彼女にしては本当に珍しい事だった、と言う事はこの時のユーリに知る由もない。
「はぁ……」
だが、真知子は心底思う。それにしても、若く見える。……物凄く、と。
そして、恐らく……と言うか見て解るようにものすごーく顔の事、気にしてて。さっきまでは、物凄く強いから 若くても少し怖い人だと思っていたのに。なんだか、その姿がとても可愛くて……可愛くて……。
「「ぷっ……」」
2人は思わず吹き出してしまっていた。
「……笑うなよ。結構気にしてるんだから。あーー もう。このフード、もうちょっと大き目のサイズにしようかなぁ……」
ユーリはぷいっと顔を背けつつ、今後の装備についてを考えていた。今度は表情をすっぽり隠しても戦闘に支障が無いようにする事も考えていた。
「ご、ごめんなさい。その、お顔がとてもかわ……っ いえ、格好いいですよ?」
「……世辞をどうも」
「そんな事、ないですよっ! ユーリさんっ!」
「……どーも!」
こんな感じで、ひょんな切欠から、優希は次第に心を開き……懐くようになったのだった。
〜現代 リーザス城下町 情報屋I,NET〜
軽く思い出話を始めた優希だったけれど。随分と時間がかかったような気がしていた。でも、それは気のせいなのである。
「そう言えば……あれから結構たってるんだな」
「そうですね。でも私は嬉しいですよ。ユーリさん。私の所によく来てくれますから」
優希は笑顔でそう答えた。
あれから、優希は本当に元気になったと思える。ユーリは、その時から真知子とも、付き合いが出来て、優希についても聞いていたが、今の時代 そう言う境遇の娘は数え切れない程いる。でも、その1人にさせないで本当によかったと思っていた。
……そんな時に、ランスになんか合わせられる訳にはいかないって思うのは普通だろう。
「優希、リーザスのリア王女の別荘の事、なんだが」
「別荘……、妃円屋敷ですね。あの屋敷はここ最近では モンスター、悪霊達が屋敷全体に取り憑いてしまっていて……、あっという間に幽霊屋敷になってしまったんです」
「……成る程、間違いは無いようだな」
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