第1章 光をもとめて
第9話 リーザスの王女
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てくるが、決して同情はしない。だが……、まだ男の真意はわからない。傍から見れば助けてくれているようにも見えるが目的がはっきりとしないのだ。……多少腕の立つ傲慢な男は何人も見た事があるから。その中でも随一の実力者だが。
「な、あんなに、いたのに……っ ば、ばけものか……?」
「失礼な、人間だ。……それになんだ? 自分がこれまでしてきた所作と何処が違う? 他人にする以上……覚悟をしてなかったのか。呆れ果てるほどの小物だな」
「んだとぉぉ!!! てめえ!!! ぶっころ………ぁ………」
大斧を振り上げ駆け出そうとしたが……。まるで、時間が止まったかのように、身体が止まっていた。
「……小物でも下衆は下衆だ。……其れを 生かすほど オレは優しくない」
いつの間にか、荒くれの背後に回っていた男。
ちんっ……と鞘に剣を収めたその瞬間、最後の1人の男は倒れていた。
全てが終わった後。
「……大丈夫か?」
座り込んでいる2人に手を差し伸べる。
その時、真知子はフードの中の顔を見れた。優希も同じで……、悪い人には見えなかったんだ。
「あ、ありがとう」
「………っ」
真知子は礼を言う、だが、優希はこの時は言えなかった。だけど……落ち着く事は出来たようだ。身体は震えているものの、何とか動く事は出来ていたから。
そしてその後、助けてくれた彼はうしバスの護衛を引き受けてくれた。
後部座席で座りあたりを警戒していた。どうやら、この辺りではうしバスを狙った強盗が現れるとの事だった。
ここに立ち寄ったのは 偶然と言う訳ではなく、その討伐依頼で来たとの事だった。
話している内に真知子は、直ぐに打ち解けたが優希は中々そうはいかなかった。でも、ゆっくり、ゆっくりと……話が出来るようになっていった。
それには勿論理由がある。
「それにしても随分とお若い冒険者さんなんですね? 凄いわ」
「ッ……」
「う、うん。私と……変わらなさそうなのに」
「ぐっ……」
そう、彼の素顔を見た時から、真知子は警戒心を少しずつ解く事が出来ていたのだ。腕が恐ろしいまでに立つ少年。それが第一印象だった
優希も、その顔を見たからこそ ゆっくりだが、話す事ができる様になったんだ。 もしも、 もっと歳が上な 戦士であれば こうはいかなかっただろう。
そして、この会話で、多分気がついたと思うけれど……。その≪男の子≫の表情がどんどん曇っていくのが判った。
「ど、どうしたの……?」
恐る恐る優希は話しかけようとした。
でも、真知子は、このコが異性に話しかけれるだけでも凄い進歩だと思えていた。多分、≪歳≫近しいからだろう。
「………はぁ」
優希が必死に話そう
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