第1章 光をもとめて
第9話 リーザスの王女
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、当然の事だけど 最初は同い歳と思われていたようだ。
ちなみに彼女は15歳である。
「お久しぶりですねっ! 試合、準決勝だけですけど、見ましたっ! やっぱり、本当に凄いですっ!」
「ああ、見に来てくれてたのか。態々ありがとな。それに、タイミングが合わなくて悪いな。優良な情報を提示してくれていたというのに」
「いえ、私はユーリさんに会えただけでも嬉しいです。あの時は……本当にありがとうございましたっ!」
「ああ。初めて出会った時の事か。……いや、偶々居合わせただけだ。それにオレの方が優希には世話になってるからな」
いつも元気一杯の彼女。だが、襲われた当初は違った。
彼女は、荒くれに襲われた経験もあり、若くして心に深い傷を受けていた事があるのだ。その時は何とか他の客が来た事もあり、難を逃れたがその出来事が彼女の心を深く傷つけていた。
そして、再びトラウマを思い出すかのような出来事が起きたのは、その少し後だった。
〜1年前 リーザス領 辺境〜
「ぎゃーはっはっはっは!!」
「女はヤれ!! 男は殺せ!!!」
荒くれに止められ、女は抱かれ、男は殺され。最悪な光景。それはまるで地獄の様な。そして優希自身の番が回ってくるのは時間の問題だった。その時優希は心底思った。
――自分は……こう言う運命なんだ。
そう半ば諦めていた、運命だと、受け入れていたその時。
1人の荒くれが血飛沫を噴出し、断末魔をあげていた。
そして、男は倒れ、その向こう側に 立っていたのはある人物。
初フードで顔を隠しているから、男か女かはっきりわからなかった人物が立っていた。
「……下衆には似合いの末路だ」
剣を鞘に収めてそう呟く。その声色からは、そのフード頭を覆った人物は、男だった。
「な!! や、やろう、やりやがったな!! 殺せ!!!」
仲間が血飛沫をあげ、倒れ伏した事に 驚いた男達のリーダー格が嗾ける。その仲間達も半狂乱になりながらも、一斉に飛びかかってきた。
だけど、そこからは、もう殆ど一瞬だった。
すれ違い様に、あっという間に男達を切り伏せる。振るう剣が 全く見えないなど初めての事だ。それに、荒くれの男達は、あのフードの男の四方八方囲っていた筈なのに意に返さない。 まるで、大人と子供、それ程の差。
「あっ……あっ……」
突然の事の連続で、頭が働かない。身体も全く動かなかった。
「大丈夫……大丈夫だから……」
自身をぎゅっと抱きしめ、落ち着けせてくれた。……守ってくれたのが同じく居合わせていた真知子だった。抱きしめつつも、戦況を見ていた。
その圧倒的な力の差。
ここまでくれば、荒くれ達が可哀想にも見え
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