第1章 光をもとめて
第9話 リーザスの王女
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の下僕1号に頼みに使いを出したわけだな?」
「……ふふ、そうね。すごく頼りにしてるわ」
下僕発言を軽くユーリは流すと、次の質問に入った。
「その幽霊が出ると言う、別荘はどの辺りにあるのでしょうか?」
「はい。それは城下町、中央公園から北にある大きな屋敷です。少し奥まった目立たない場所ですが、立て札はありますので解るかと思います」
「成程、位置は大丈夫です。大体は把握いたしました」
その中央公園の北にある廃れた屋敷についてはユーリもよく知っていた。その屋敷の情報についてもある程度は仕入れているからだ。だが、そこまで重要な場所でない為立ち入ってまではいない。
「がははは、報酬についての要望だが」
ランスは、本領発揮、と言わんばかりに そう言い始めるが マリスが先に口にした。
「訊けば、ランス様とユーリ様は 正体不明の忍者を追ってらっしゃるとか」
「む……」
「………」
突然のマリスの言葉に、やや驚いているランスと、警戒心上げたユーリ。勿論表情には出さない様にしていたが。ユーリは、人差し指の第二関節を曲げ、口元につけて考え、そして口に出す。考えていた疑問を。
「……少なからず解せない部分はありますね。我々の事を知ったのはコロシアムでしょう。リア王女も、そうおっしゃられていた。 ……ですが、我々の ≪依頼内容≫まで知っているのでしょうか? 依頼については、コロシアムに参加するよりも以前に受けたモノですが」
そのユーリの疑問、それに答えるのは、今度はリアの方だった。
「ふふ、リーザスの情報網は、完璧。凄いのよ。ね? マリス」
「はい。その通りでございます。世界でも屈指だと自負させてもらってます。忍者、そしてヒカリの情報も 貴方達にお渡しします」
何処か、楽しそうに笑っているリアと、その傍で微笑みを絶やさないマリス。
そして、ランスも納得したのか、頷いていた。
「ヒカリちゃんの事まで知っているのか……、ふむふむ。(報酬に王女か、マリスを頂こうか、と思ったんだが……、まぁいいか)」
最初から、ランスは全く疑ってさえいない様子だ。だが、ユーリは違った。
「……成る程、随分と優秀な諜報員がいる様だ。忍者から、ヒカリまで知っているとなると」
「……はい。リア様の側近ですから。とても優秀です」
後ろで控えていたマリスが静かに頷き、そして、同調するようにリア王女がニヤリと妖しい笑みを浮かべていたのだ。その瞬間空気が変わったのが解った。張り詰め、緊迫感も軽く増した。
「ま、オレ様が引き受けた以上、大船に乗った気でいろ。ちゃちゃっと解決してやろう」
やや、緊迫した空気だったのだが、ランスはそんな事は一切気にする様子もなく、陽気な声でそう言う。それを訊
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