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魔法科高校〜黒衣の人間主神〜
九校戦編〈下〉
九校戦十日目(3)×最終戦からの対ドウター戦と後夜祭合同パーティーでのダンス
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れしている様子のようですね。まあ誰とでも踊る訳にはいかない事ですし・・・・あれは一条のプリンスでは?」

「そのようだから行くぞ」

一言言ってから、今まで壁際にいた俺らだったが見知った顔であり面識有りならばと思い人垣へ進めた。そしていつものハリセンというエクスカリバーを抜いた俺だったのか、途中途中ハリセンの音が聞こえるようだったが音を最小限にしたので群がる少年達を倒しながら突き進んで行った。

「二日振りだな、一条将輝」

「むっ、織斑一真か」

気安い挨拶を互いに交わしていたが、俺と一条も友人とは考えていないし堅苦しい挨拶も不要である。

「身体の方は大丈夫か?ダウンバースト威力抑え気味バージョンと雷撃をプラスさせたから、まだ痺れているかと思っていた」

「あの威力でも手抜きとは恐れ入るが、お前に心配される筋合いは無い」

「それもそうか」

社交辞令を提示してきた俺に対して、一条は友好的とは言えない応えを返した。九分九厘手中にしていた勝利を覆した苦杯を嘗めた敗者にとって、勝者からの気遣いなど愉快な気分なはずも無い。一条の対応にて、ある意味当然の素っ気無さの態度に対して深雪が不快な目を向けてきた事に気付いた一条は、心を狼狽に覆われた。

「えっ、あ、・・・・あっ?織斑!?」

突然素っ頓狂な声で俺の名字を小さく叫ぶ一条だったが、俺達は『大丈夫かコイツ?』という目で眺めていた。

「もしかしてお前、彼女と兄妹か!?」

一条のセリフは俺に言い様の無い脱力感を与えたので、俺らが最初から気付かない方が可笑しいと思った。

「今まで気付かなかったのか?マジで?」

いくら名字が同じだとしても、それを気付かない方が可笑しいと思ったが俺をライバル心で見ていたのか全然気付かなかった様子だった。呆れ顔で問い掛けて、一条は絶句したまま立ち尽くしていた。短く控えめな笑い声が聞こえるが、深雪は口元を抑えていた。

「・・・・一条さんは、私とお兄様が兄妹には見えなかったのですね」

「いくら何でも気付くの遅すぎだろ。現代魔法を使う妹と現代でも古式でもない魔法を使う俺だと、親族でも思ったのではないのか?」

笑いを噛み殺して、一条に話し掛ける深雪の声に俺も真顔で答えていた。そして俺が言った事で、深雪は更に嬉しそうな声で笑っていた。

「えっ、いえ、その・・・・ハイ」

言い訳を断念して項垂れた一条を、深雪はニコニコと笑みを浮かべて見ていた。どこを気に入ったかは分からないが、一条は深雪の目に適った様子だった。目に適ったとはいえ、ダンス相手としてというレベルでしかない。

「とまあいつまでもここにいると邪魔になりかねんから、深雪、一条と踊ってきたらどうなんだ?」

俺のセリフに一条はガバッと顔を上
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