問題児.田中
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目の前にいる、クラス一番の問題児。その名も田中。
「どうかしたんですか?今日も美しい、加藤先生?」
「どうしたもこうしたも無いわ!!そして、サラッと先生を口説くな!!」
「何がいけなかったんですか!?折角褒めたのに!!」
「そういう所だよ!!」
田中の問題はこれだけではない。2年連続担任を担当しているが、田中の奇行はよく目立っていた。
教頭先生の大切なつぼを割り、女子の面倒な揉め事を大きくしたり、学校にゲームを持ってきたり。
兎に角、あいつは生粋の問題児だ。ベストオブ問題児だ。
そして、そんな問題児田中に迷惑している人はもちろん沢山いる。
「し、し、し、失礼します。」
「こ、この声は!いとしの小田!」
「おう、小田ごめんな。あれ…西内は?」
「委員会で」とつぶやく小田。どうやら緊張しているようだ。何せあの田中と一緒に呼ばれているんだ
焦らない奴はいないだろう。
特に小田は優等生で私からの信頼も厚い。
「先生!すいません!私、何にもしてません!!あ!た、田中にはきつく言い聞かせます!」
「小田違う!!違うから!誤るな!おい!田中、お前親友にこんなこと言わせて良いのかよ!!」
「小田、私は大丈夫だ。心配するな。」
「大丈夫じゃねぇ!!」
こんなに聞き分けの無い生徒に出会ったのはいつぶりだろう。
いや、こんな奴、あったこと無い。私に言わせれば田中は未知の生物だ。
運命の出会いと言うものなのだろうか。
こういう奴ほど、卒業式や、卒業してから可愛くなるものだ。
それまで、私はこいつと付き合っていけるのだろうか。
一つだけ言いたい。
こんな奴と運命の出会いをしたくなかった。
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