第1章:ぼっちな姫は逆ハーレムの女王になる
今日も今日とて脅迫的に共感を強制
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居住まいを正したところで気づいた。
………………今日の一限目、何だったっけ?
てか今日って何曜日?
☆ ☆ ☆
【カースト】
……インドに見られる社会集団。閉鎖的かつ階層的で、2000を超えるカーストが世襲職業を持ち、相互分業関係にある。ただし、他の種姓との交流や婚姻関係を禁ずるなど差別的な側面があるために、現在は次第に薄れつつある。
ちなみに『カースト』とはインド語ではなくポルトガル語の『casta』が語源であり、インド語では『jati』――とはいうものの、スクールカーストとはよく考えたものだと珠希は思う。実際のところ、小学校の頃から似たようなものはあったが、さしずめ現在の珠希の身分はさながら制度外の難民である。
そんなスクールカーストぶち壊しのクラス内難民となっている少女、天気がいい今日の昼は……いや訂正、天気がいい今日の昼も屋上の隅、出入り口から一番遠いベンチで一人、昼食のお弁当を膝に乗せてぼーっと空を見上げていた。
「――で、屋上の隅でぼっち飯か。竜門」
「いきなり目の前に来て人の心読まないでくれるかな昴くん」
突如視界を覆い尽くした黒い影――の持ち主、口の悪い冷血系秀才クラスメートである相武昴を前に、珠希は視線の先を膝上で未開封のままのお弁当箱に落とすと、溜め息まじりに愚痴をこぼした。
「あ、マジで感傷浸ってたのか。それはすまなかった」
「謝らないで。金魚の糞に謝られても惨めになる」
「てめぇ、実は人にさりげなく喧嘩売るの上手いだろ? 違うか?」
アメリカであれば絶対にスクールカーストの頂点に――将来有望なアメフト選手の彼を持つ、チアガールやってるミスキャン1位になれるだけの美貌と運動神経を持ちつつも、見事にそれを腐らせている珠希の余計な一言に、昴は即座につっかかってきた。
しかし実際、珠希は自分の肉体以外を売るのは得意である。
【天河みすず】のサークル【Pearly Queens】の既刊の同人誌は現在、委託販売とサークルHPからのオフィシャル通販のみの取り扱いながら、金額に換算して既に7ケタの利益を生み出している。その利益の源を作り出すために珠希は自分のプライベートタイムと健康的生活を悪魔に売り払い、創作活動の悪魔を呼び出すために羞恥心と魂を売り払っているのだ。
なお前述の内容は決して厨二的表現ではなかったりする。
「……なんかもう既にクラスから取り残された感があるんだよね」
「疎外された、の間違いじゃね?」
「そ、そそそそんなことないし! 昴くん以外のクラスメートと喋ったことあるし!」
「そこで噛むなよ。図星
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