行き先の想定
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……確かに、俺たちが悪いな。
戸部、戻ろう。この事は俺達で解決するべきだ」
「いや、もうここまで来たら後には引けないでしょぉ!」
退室を試みた葉山の腕を振り払い、戸部は決心を目に宿らせて1歩前に出る。
「ホントにゴメン!実は俺さっ――――」
戸部は上半身を折り曲げ、謝罪をしてから話始めた。
「――マジ?!」
「つまりあれか。告白して海老名さんと付き合いたいと…」
戸部が持ってきた依頼は、思いを寄せている海老名に告白し、付き合いたいと言うもの。初の恋愛絡みな依頼で俺自身なんと言えば良いのかわからない。
昔告白されたことはあるけど即座に振ったし。
「そうそう、そんな感じ!
流石に振られるとかキツいわけ!」
「はぁ…振られたくない、ねぇ…」
そもそもの話で振られるかもしれないと言う要因が自分の中にある時点で駄目なんじゃないのか?不安要素とか知らない内に持ってたりするし。
仮に自覚がないとしても、対象からしてみたら欠点がある相手はノーサンキューで終わるんじゃないのだろうか?
「何かそう言うのすっごく良いじゃん!応援するよー!」
「…やっぱり、そう簡単には行かないかな」
「そりゃまぁな」
「簡単に行くなら少子化問題も勃発してねぇ。大体、そんなに好きなら振られる覚悟して告白してくれば良い。
振られるのが怖いのなら、告白しなければ良い」
「でもそうなるとこれから気まずいでしょぉ…俺、今回はマジなんだよ…」
マジ…ねぇ?
それは普段の騒がしいと言う欠点を自覚したってことなのか?
「悪いけれど、お役にたてなさそうね」
「ええー!良いじゃん、手伝ってあげようよぉ〜」
断ろうとする雪ノ下にすがり付く由比ヶ浜。
何か子供が物をねだるときの一画に見えてしょうがないんだが。
そして俺を見る雪ノ下。
「え?俺が判断するのか?正直きついぞ?」
ほら見ろ、由比ヶ浜も一緒になって目線送ってくるし…。
「鳴滝君…いや、鳴滝さん!オネシャスッ!」
「張り倒すぞコノヤロウ…」とは言えないこの状況。
しかしこの展開で発展していくのは結構な確率で破滅をたどることが何となく分かる。
「ゆきの〜ん、戸部っちも困ってることだしさぁ〜」
「まぁ…そこまで言うのなら考えてみましょうか…」
「ちょっと雪ノ下さん。最近由比ヶ浜さんに甘すぎじゃないですかね?」
「寧ろ由比ヶ浜に甘い分、辛さが俺達に回ってきている気がするまである」
「「「「…………」」」」
「「ぐっ……」」
全員から向けられるジト目に、俺と比企谷が怯む。
「はぁ…やってみますか」
結局やることになってしまったその日の放課後だった。
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