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元虐められっ子の学園生活
行き先の想定
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最初から言っても分かるかどうかが分からないがな。

「あとは――――」

この後、雪ノ下による観光名所のあれやこれやをたんたんと語られた。
明らかに舞い上がっている。これ以上ないくらいに。
普段とのギャップを感じなくもないが、詳しすぎるのもどうなのだろうか?


「――と言うところかしらね」

「詳しい…」

「何お前、ジャランなの?」

「京都についての知識なんて、一般常識の範疇でしょ」

そう言って紅茶を飲む雪ノ下。
その目の前には観光ガイドの雑誌が置かれている。

「……くくくっ」
「ぷっ…」
「へっ……」

それを見た俺、比企谷、由比ヶ浜は一緒になって吹き出す。

「…何か?」

「な、何でもない、何でもない」

…こんな楽しい時間も、貴重と言えるんだよな。
もっと長く、それでいて大切に過ごせれば良いんだけど。








「フラグだったか…」

少し経って、部室には葉山と戸部…?が訪れた。

「何かご用かしら?」

一瞬で空気が針積める。
何処か雪ノ下も声のトーンが落ちている気がする。

「ちょっと相談事があって…連れてきたんだけど」

「いや、やっぱ無いわ…この二人に相談とか無いわぁ…」

「……あぁ?」「…あ?」

「た、頼みに来たのはこっちだろ…?」

「いやでも二人にこう言うことははなせないでしょぉ…信頼度ゼロだわ」

入ってきて早々に俺と比企谷を迫害する戸部。
その言葉と素振りは俺の怒りを買うのに充分だったと言える。

「なら帰れ。
いっそのことその生け簀かない顔面に拳めり込ませて窓から紐無しバンジーで追い出してやろうか?
それ以前に頼み事をする立場でありながらその態度は相手を挑発する最高の一手だぞ。もともとそう言うつもりなら買ってやるよその喧嘩。
今の俺は確実に殺れるぞコノヤロウ」

俺は立ち上がり、ツカツカと戸部の元へと歩いていく。
葉山が間に入り、庇うように身を呈したのでその前で止まったが、怯える戸部を睨み付けることは止めていない。

「止めなさい鳴滝君。
確かに信頼を持ち合わせていない二人が悪いのは分かったわ。
この場合は仕方がないもの。では、出ていってくれるかしら」

「………そうかよ…なら終わったら呼んでくれ。
少し頭冷やしてくる」

「待ちなさい。何処へいくの?」

は?いやだから出ていくって…

「出ていくのは貴方たちの方よ。
礼儀も知らない。礼節もわきまえない。そんな輩のお願いを、快く聞き入れるとでも思っているの?寧ろ聞く必要が皆無だわ。
早々にお引き取り願うわ。寧ろ出直す必要もないわね」

「何かやな感じ!」

…雪ノ下、由比ヶ浜…。


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