行き先の想定
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えっ!?」
「部活間の連絡に困るだろ?ほら」
俺は雪ノ下に携帯を手渡し、そう言った。
対する雪ノ下は何故か落胆したような雰囲気で受けとる。
「…そうね。そうなるわね…」
何か粗相をしでかしたのか?
打ち終えたのか、携帯を雪ノ下から受け取り、ポケットにしまう。
席へと戻り、雪ノ下が入れてくれた紅茶を一口。うむ、旨い。
閑話休題。
「はぁ…て言うかうちの学校も沖縄とかが良かったな。京都とか行ってもどうしようもなくない?」
話題は修学旅行にシフトチェンジ。
そうか。俺は空気に徹すれば良いんだな?
「することなら幾らでもあるでしょう?
この国の文化を直に見て、触れて「そう言うもんじゃないと思うぞ、あれは」…?」
比企谷が雪ノ下の言葉を遮る。
まぁ確かに修学旅行ってのは見て触れて学ぶの目的があるが、それだけじゃないと言うのも確かだ。
行けない知人や家族に名産物を持って帰ったりするのも一つの醍醐味と知れるだろう。
その点、比企谷は分かってるな。
妹がいるし、何かしら頼まれていても不思議じゃない。流石だな。
「あら、では何のために修学旅行に行くのかしら」
ふむ。ちょっとした心理だよな。
何のために…俺なら人それぞれだと返すけど。比企谷は結構良い返答を出すと踏んでいる。
「あれは社会生活の模倣なんだよ。
上司と出張にいけば、泊まるところも晩飯のメニューも自分じゃ選べねぇ。
でも妥協すればそれなりに楽しいんだと自分を騙すための訓練みたいなもんだ」
「…俺の期待を返せ」
「なっ、何だよ…何がだよ…」
「ヒッキーの修学旅行、超楽しくなさそう!」
そうだったな。比企谷の考え方は斜め下を我が儘に進むものだったな…逆の意味で感心したよ。
「貴方達だって、楽しみにしていることの一つや二つはあるでしょう?」
その貴方達に俺は含まれているんでしょうかね雪ノ下さん?
「まぁな」
「私はまだ全然調べてないからなぁ…ゆきのんは?」
「そうね、龍安寺、清水寺もそうだけど…鹿苑寺、慈照寺等の有名どころも押さえておきたいわね」
何故挙げられた候補が寺オンリーなのかは触れないでおこう。
恐らく雪ノ下は楽しみで舞い上がっている。今は目をつむっていて分からないが、確実に楽しみにしまくって舞い上がっているに違いない。
「鹿苑寺…しょうじ?」
「混ぜるなよ。何かちょっと格好いいキャラ名見たいになってるぞ」
「もう少し歴史について勉強することをお勧めする…」
「ふ、二人して馬鹿にして!ちょっと間違えただけじゃん!」
「一般的には金閣、銀閣と言う方が通りは良いかしら?」
「ほぇ…なら最初からそういえば良いのに」
仮に
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