第155話 ?越
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る士官の誘いを受けるも無視し続け、劉表は業を煮やし自ら彼女の元を訪ねる。その時、彼女は劉表に言った。彼女は故事にある英雄の子孫の悲惨な末路を語りだしたのだ。暗に「お前に士官したら私の子孫は死ぬ。だからお前に士官しない」と告げていた。劉表は?徳公の言葉に打ちのめされ渋々帰っていた。しかし、これは?徳公だから出きたことだと言える。?徳公以外が劉表にこんなことを言ったら劉表に殺されていただろう。
「正宗様、孫文台の非は責められるべきものです。しかし、蔡徳珪との決戦の前に孫文台と要らぬ争いはいかがかと思います。もう少し穏便に済ます手立ては無かったのでしょうか?」
「公衆の面前で嘲笑されて、引き下がれば私は物笑いの種だぞ。噂はどこから広まるとも限らない」
正宗は紫苑を振り向き厳しい視線を向けた。
「正宗様の仰る通りです。紫苑殿、こんなことは言いたくはないです。ですが敢えて言わせてもらいます。あなたはご自分が大罪人であったという自覚がないのではないか? 正宗様は紫苑殿が肩身が狭くないようにと清河国の郎官である中郎将に任じられた身ですぞ。朝廷の官職ではないが、王の側近たる中郎将の地位は安くはない。正宗様が孫文台のような粗忽者に侮辱され悔しくはないのか? あなたは正宗様のお優しさに甘え過ぎてはいないか?」
泉は紫苑の言動が気に入らない様子だ。
「泉様、私は正宗様には感謝しております。感謝していればこそ苦言も言わせてもらいます」
紫苑は泉を毅然とした態度で見た。
「紫苑、お前の言い分は理解している。孫文台の兵士達は精強と聞く。その兵士達の中には元々夜盗上がりの者達が多いともな」
「正宗様、孫文台の軍は粗暴にございますが精強にございます。劉景升様も幾度と無く辛酸を舐めさせられました。また、孫文台は即決即断の性格。軍律を乱す者は速やかに処断し秩序を維持している名将にございます」
正宗が孫堅の軍に良い感情を抱いていないと感じ取った紫苑は孫堅軍の説明をした。正宗は紫苑の説明を黙って聞いていた。
「紫苑、口が過ぎたようだ。許して欲しい」
正宗は紫苑を見て謝った。紫苑は正宗の態度に笑顔を返した。
「そのお言葉を返す相手は私ではございません」
「そうだな」
正宗は軽く笑うと視線を空に向けた。空が橙色に染まっていた。
「私が孫文台に謝っては荊州の豪族達に示しがつかない。紫苑、妙案はないか?」
「正宗様の元にこれから豪族が詣でましょう。折を見て酒宴を開いてはいかがでしょうか?」
「酒宴か」
正宗は感慨深そうに頷いた。
「分かった。折を見て酒宴を開くとしよう。その時、孫文台に一献とらそう」
「それがようございます。孫文台も正宗様に感激するかと存じます」
紫苑は正宗の考えを変
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