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黒魔術師松本沙耶香  薔薇篇
5部分:第五章
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罪悪感と後悔の気持ちを抱きながら味わう楽しみというのはね。一度知ったら忘れられないものなのよ」
「それが・・・・・・」
「そう、私よ」
 沙耶香は言う。
「私は罪、甘美な味を持つ罪」
「ではこのまま」
「そう、堕ちなさい」
 誘惑の声はただ放たれただけではなかった。それは少女の心も捉えていた。
「そして。これまで知らなかったものを知りなさい。いいわね」
「罪を犯す愉しさを」
「愉しさを」
 沙耶香はさらに言う。
「知るのよ。いいわね」
「はい」
「じゃあここへ」
 少女を天幕のベッドへ導く。それは羽毛とシルクのベッドであった。純白の世界がこれから背徳に染まろうとしていた。
「決められた者以外に、それも女に抱かれるという罪」
 沙耶香織は少女の服を脱がせながら言う。脱がせながらその身体に触れることも忘れない。
「その罪深さと、そして甘さを教えてあげる。今からね」
 そのまま少女を抱いた。二人で快楽の世界へと入っていった。全てが終わった時二人は天幕のベッドの中にいた。二人並んでその深く柔らかい枕に頭を置いていた。


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