【IS】一億回負けても、諦めない。
[1/4]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
これは、大成がたっちゃん相手に奇跡を起こす前の話……。
浅田大成という生徒は困った奴だな、と千冬は常々思っている。
彼は男性IS操縦者として一夏に続いて発見された男だ。
本人曰く、打鉄を愛しているそうだ。IS適性検査を通過して、預けられた練習用打鉄を専用機代わりにしている。その生活はある種異常だった、と政府関係者は語る。
打鉄に話しかける。
打鉄を意味もなくワックスで磨く。
打鉄に抱き着いたまま居眠りする。
打鉄のプログラムを勝手に書き換えまくる。
打鉄のことを「打鉄ちゃん」と呼んでいる。
訓練は真面目にこなす。勉強も真面目にこなす。でも打鉄を取り上げようとすると駄々をこねる。そんなこんなで彼は今日も打鉄をブレスレット型の待機形態にして持ち歩いている。
そして今現在、男性IS操縦者用に編成された新型開発チームを蛇蝎の如く嫌っている。理由は言わずもがな、「俺から打鉄ちゃんを取り上げる気か!?」である。
その瞳を千冬は見たことがある。頼れる大人がいなかった時に必死で一夏を育てようとした自分とうり二つだった。既にISを家族並みに大事にしている……だと……?IS一機にどれだけ入れ込むつもりなんだろうか。壊れたら葬式を開いて遺影を抱えて号泣しそうな勢いである。
「そんなに打鉄を手放したくないものか……?わからん。あいつはわからん」
「あそこまでいくと執念のようなものを感じますよね……あ、でも男の子ってそう言う所に変な拘りを持ってるって聞きますよ?」
「その次元に収まってるとは思えんのだが」
超貴重品にして選ばれしものの証である専用機を蹴ってまで自分の打鉄を愛するその姿、常人ならざるものである。
なお、そんなに打鉄が好きなら専用機を貰ったうえで訓練用打鉄を借りればいいんじゃないかと聞いたことがあるが、「俺は打鉄が好きなんじゃなくて”この”打鉄ちゃんが好きなの!」とアッサリ拒否られてしまった。
= =
エブリデイ敗北男こと大成の評判は総合的には決して良いとは言えないのは、前の話で話した通りである。が、彼の所属するクラス内では結構意見が分かれている。
まず一夏。
「え?大成?うーん……とんでもなく頑張り屋だよな。一回あいつの部屋に行ったことがあるんだけど……あ、ちなみに大成は一人部屋な?で、あいつの部屋にいったら……いないんだよ。何所にいるんだろうと思って聞きまわったらIS整備室に籠っててさ。毎日毎日自分が負けた時のデータを見直してアレが悪いコレがいいって呟いてるんだ。それと並行してISの仕様変更までしてて、ちょっと真似できないなぁって………そう言う意味では尊敬してるかな」
次、モッピー。
「誰がモッピーだコラァ!!
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ