4部分:第四章
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口に入れる。それからメイドに声をかけた。
「美味しいわね」
「そう言って頂けるとシェフも喜びます」
メイドはその言葉を聞いてにこりと笑った。純粋な、澱みなぞ全くない明るい笑顔であった。沙耶香はその笑みを見て心の中で思うところがあった。
「それにサービスもいいし。まるでホテルね」
「御客様には真心を、といつも言われていますので」
「そうね。ルームサービスも一つ加えてくれているし」
「といいますと?」
「すぐにわかるわ」
沙耶香はスープを飲み終えワインを一口含んでから答えた。
「すぐにね。まずは食事を」
「はい」
次はサラダが運ばれた。そしてメインディッシュ、デザートへと。ワインもボトルを一本開けた時にはもう後ろの窓は暗くなり、白い星さえ見えてきていた。
「御馳走様」
沙耶香はナプキンで口を拭った後で言った。
「堪能させてもらったわ」
「はい。それで」
メイドはここで彼女に声をかけてきた。ずっと彼女の側に立って対応していたのである。
「さっきのルームサービスの件ですけれど」
「ああ、あれね」
沙耶香はそれを受けて彼女に顔を向けてきた。
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