暁 〜小説投稿サイト〜
黒魔術師松本沙耶香  薔薇篇
4部分:第四章
[3/3]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
口に入れる。それからメイドに声をかけた。
「美味しいわね」
「そう言って頂けるとシェフも喜びます」
 メイドはその言葉を聞いてにこりと笑った。純粋な、澱みなぞ全くない明るい笑顔であった。沙耶香はその笑みを見て心の中で思うところがあった。
「それにサービスもいいし。まるでホテルね」
「御客様には真心を、といつも言われていますので」
「そうね。ルームサービスも一つ加えてくれているし」
「といいますと?」
「すぐにわかるわ」
 沙耶香はスープを飲み終えワインを一口含んでから答えた。
「すぐにね。まずは食事を」
「はい」
 次はサラダが運ばれた。そしてメインディッシュ、デザートへと。ワインもボトルを一本開けた時にはもう後ろの窓は暗くなり、白い星さえ見えてきていた。
「御馳走様」
 沙耶香はナプキンで口を拭った後で言った。
「堪能させてもらったわ」
「はい。それで」
 メイドはここで彼女に声をかけてきた。ずっと彼女の側に立って対応していたのである。
「さっきのルームサービスの件ですけれど」
「ああ、あれね」
 沙耶香はそれを受けて彼女に顔を向けてきた。


[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ