戦車
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なしに這いつくばりながらゴールを目指す。
『いいよ、くれてやるよこの勝負。俺たちはこの後も勝ち続ける。たかが1点2点いらねぇっての』
『その1点に泣くなよボウズ』
完全に進むことを諦めたスティングさん。ナツさんとガジルさんは吐き気を飛ばすためなのか叫びながら進んでいく。
『1つだけ聞かせてくんねぇかな?』
『『ああ?』』
懸命に進もうとする2人にスティングさんが質問する。
『なんで大会に参加したの?あんたら。昔の妖精の尻尾からは想像できねぇんだわ。ギルドの強さとか、世間体的なもの気にするとか、俺の知ってる妖精の尻尾はさ、もっとこう・・・マイペースっつうか、他からどう思われようが気にしねぇっつうか』
『仲間の・・・ためだ』
スティングさんの問いにナツさんはそう答える。
『7年も・・・ずっと・・・俺たちを待っていた・・・どんなに苦しくても、悲しくても、バカにされても、耐えて・・・耐えて・・・ギルドを守ってきた。仲間のために俺たちは見せてやるんだ。
妖精の尻尾が歩き続けた証を!!だから前に進むんだぁ!!』
ナツさんが叫ぶとギルドを守ってくれていた皆さんが感涙する。
ナツさんとガジルさんは戦車に這いつくばり、苦しいながらも懸命にゴールへと向かっていく。
『うおおおおおおおお!!』
そしてついに、2人はドムス・フラウのゴールのゲートへとたどり着いた。
『GOAL!!妖精の尻尾A、ナツ6位!!2ポイント!!』
『ポイント初ゲット・・・』
『妖精の尻尾B、ガジル7位!!1ポイント!!』
『ギヒッ』
ゴールした2人は力を使いきったためかそのまま倒れ動けなくなる。
「あいつらの執念」
「ああ、すげぇ」
「なんなんだあいつら」
意地でポイントを獲得してみせたナツさんとガジルさんを見て観客たちがざわめきだす。
「妖精の尻尾ねぇ、ちょっといいかもねぇ」
「少し感動しちまった」
「俺応援しようかな」
感動した観客の皆さんが盛大な拍手を2人に贈る。
「いいぞ!!妖精の尻尾!!」
「これからは応援するぞ!!」
そんな声を受けながらもナツさんとガジルさんは突っ伏したまま顔を青くしていた。
『なお、剣咬の虎スティングはリタイア、0ポイントです』
スティングさんはあのままゴールすることは諦めたみたいだ。そして会場にこの競技によってのポイントが加算された得点が発表される。
『さぁこれで1位は大鴉の尻尾!!』
『COOL!!』
『|剣咬の虎《セイバート
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