Another38 愛情の風
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私しか、いないもの……]
空「無理よ!そんな身体でどうしようって言うの!?」
フライモンの毒針により満身創痍のピヨモン。
それなのに、空の腕の中から飛び立とうともがき続ける。
ピヨモン[分かってよ空、私行かなきゃいけないの!!]
空「行っちゃ駄目!!」
ピヨモン[放して!!]
パートナーを守る。
それが選ばれし子供達のパートナーとして選ばれた、選ばれしデジモン達共通の使命。
それは空にも分かっていることだ。
パートナーデジモンはパートナーを守ることに戦う。
けれど、今はそんなことを言っている場合ではない。
空は出来ることならピヨモンに傷付いて欲しくないし、傍にいて欲しい。
空はまだ、自分のそんな想いの正体に気づいていない。
ピヨモンは今も空の腕の中で暴れ続けている。
空「駄目、行っては駄目よ!!」
ピヨモン[どうして分かってくれないのよ!!!]
空「っ!!!」
それはあの日、空が母に叫んだ言葉と全く同じではないか。
重なる、母と自分。
空「(アインスさんの言っていたように、お母さん、私のことを大事に思って…)」
ピヨモン[ピヨモン進化!バードラモン!!]
ピヨモンの声で、空は我に返った。気付けばパートナーは腕の中には無く、代わりに上空にはアトラーカブテリモンに挑むバードラモンの姿が。
バードラモン[メテオウィング!!]
傷を負っているはずなのに、バードラモンはそれを感じさせない動きでアトラーカブテリモンに接近して火炎弾を放った。
しかしアトラーカブテリモンには全く通用せず、逆に必殺技の突進を喰らい、吹き飛ばされた。
勢いよく地面に激突したバードラモンに空は駆け寄る。
空「バードラモン!!バードラモーーーンっ!!!!」
絶叫する空の胸元、愛情の紋章に真紅の光が宿った。
そしてバードラモンが更なる進化を。
アインス「あれは超進化の光!!?」
バードラモン[バードラモン超進化!ガルダモン!!]
バードラモンは真紅の光に包まれたかと思えば姿を変えていた。
バードラモンから、空を、パートナーを守れるよう、力強い勇者の姿に。
アインス「完全体に進化した…」
へたり込んでいた空をそっと持ち上げ、ガルダモンはピヨモンの時と変わらぬ口調でこう言った。
ガルダモン[空の愛情、いっぱい伝わったよ]
空「ピヨモン……格好いい……!!」
空はただ、目に涙を浮かべてそう答えるだけだが、逞しく成長した子を愛おしく思うような、そんな気持ちが今の空の中にあった。
ガルダモン[空はこの私が守る!!]
アトラーカブテリモンに振り返ったガルダモンはそう宣言する。
そして空へと飛び立ち、全身に真紅の炎を纏わせた。
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