第30話 黒の剣士、再会する
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粒の涙を流すサチ。震える声でキリトに尋ねた
「なんで!?私は貴方に刃を向けたのに、何でそんな言葉を出せるの!?」
するとキリトも困ったような表情でサチが流す涙を拭った
「確かにあの『死ね』って言葉には応えたけど、それよりもやっぱり……」
「え…?」
「生きてまたサチと会えた事が、俺にとっては嬉しいことだよ」
「キリ、ト………」
我慢の限界だったのかサチは先程のアスナと同じようにキリトに抱きついた。そんなサチにキリトは優しく迎えた
「ゴメン、キリト…ゴメンなさい…私……わたしぃ……ッ!」
「いいんだ。生きてくれてありがとう…サチ……」
キリトとサチの長いようで短い和解が終わり、キリトはサチをログアウトする準備を始めた
「それじゃサチ、今度は現実で…」
「うん。きっと…何処かで……」
そう言ってキリトはサチををログアウトさせた。するとキリトは暗闇に包まれた上空を見上げ、ある人物に声をかけた
「そこに居るんだろ?ヒースクリフ…」
暫く静寂が続くが、何もない空間からある人物が現れた。白衣をまとった若い男性だった
『久しいなキリト君……もっとも、私にとってはあの日のことも昨日のようだが…』
「生きてたのか?」
『そうであるし、違うとも言える。私は茅場昌彦という意識のエコー…残像だ』
「相変わらず分かり難いことを言う人だな。どうせならもっと早く助けてくれてもいいんじゃないか?」
『それはすまなかった。システムに分散保存されたこのプログラムが結合、覚醒したのは丁度、君が須郷君に虐げられてる時だったのでね…私にはまだ少々やることがあってね』
「やること?」
『ああ…かつて私の命を救ってくれた、古い友との約束を果たすための準備をね……』
「友?」
茅場の言っている意味は理解出来なかったが、キリトは深くは追求をしなかった
「ま、何はともあれ、取りあえず礼は言っとくぞ」
『礼は不要だ。君と私は無償の善意など通用する仲ではなかろう。もちろん代償は必要だ、常に』
「何をしろというんだ?」
苦笑交じりにキリトが尋ねる。すると、闇の中から卵の形をした光る結晶が降りてきた
「これは?」
『世界の種子、だ。芽吹けば、どういうものか解かる。その後の判断は君に託そう。消去して忘れるもよし………だがもし、君があの世界に憎しみ以外の感情を残しているのなら……………』
茅場はそこで言葉を区切り、暫く沈黙した。そして…
『では、私は行くよ。いつかまた会おう』
そう告げると、茅場の姿は消え、暗闇も消えた
「……ふぅ…………アスナ、今行く!」
茅場を見送ったキリトは気持ちを
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