第25話
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すか、一体何の話しでしょう?」
「……張角の首の件よ」
「はぁ、それが?」
「〜〜っ、惚けないで! 横から手柄を奪ってどういう心算か聞いているのよ!!」
それまで静めていた怒気を爆発させる。張勲の横に居た袁術が震え上がるが、今の孫策にはそれどころではない。
「ガクガクブルブル」
「わー、怯えるお嬢様も可愛らしいです〜」
「……」
ズレた愛で方で袁術を可愛がりつつ、張勲は内心、孫呉の軍師周瑜を罵倒する。
手柄を横取りした策に穴は無い。すでに張角の首は漢王朝の名の下、正式に『袁術軍』が挙げたものと発表されている。
この状況において後から何を言っても無意味だ。彼女の行為は徒労でしか無い。
本来であればそれを周瑜が孫策に言い聞かせ、彼女の手綱を握らなければならないと言うのに。
そこまで考え張勲は小さな溜息を吐く、目の前に居る猪には説明が必要なようだ。
「奪ったもなにも、当初の予定通りですよ」
「……予定通り?」
「出発前に私を通して、お嬢様に許可を頂きましたよね」
「ええ」
「逆に言えば、お嬢様の命で張角討伐に行った様な物ではないですか〜」
「な!?」
そこまで言われ孫策は気がつく、自分達は『袁術軍』として組み込まれていたのだ。
確かに、袁術達に身を寄せている自分達は、広い意味で言えば袁術軍かもしれない。だが吸収された心算など無い。独立を目指す為に此処で活動しているだけだ。
張勲はその事実を歪曲、朝廷に手柄を挙げたのは自分達の『手の者』と報告したのだ。
「詭弁だわ!!」
「違いますよ〜、詭弁とは事実とは違うお話です」
良いこと教えてあげますよ〜。と張勲は嗤う。目の前の独立を目指す猪に、状況を頭で理解しつつ、怒りを露にする武骨者に。
「事実とは大多数の認識で出来る物です。覚えておくと良いことありますよ♪」
―孫家の屋敷―
「雪蓮、入るぞ」
「あ〜、冥琳だぁ」
「……」
袁術の屋敷から戻ってきた孫策は酒に溺れていた。普段であれば他の者に制止されるが、その日ばかりは彼女の迫力に圧され、誰も咎めることが出来ずにいた。
孫策の部屋に入った周瑜は、親友の様子と充満している酒の臭いに顔を顰める。
言うまでも無いが孫策は無類の酒好きだ。浴びるほど飲むことを好むだけあって酒豪である。
そんな彼女が今は酒に飲まれている。やり場の無い怒りがそうさせるのだろう。
「色々報告がある」
「なぁにぃ〜?」
「女狐に張角の首が横取りされたのは…………わざとだ」
「……なんですって?」
周瑜から発
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