拝啓お母さん。護堂お兄さんに会ってきました。
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うです。
「じゃぁ、呪を解きますね。流石にこのままじゃ連れの前では格好がつかないので」
直後、噴き出すように溢れだした呪力。金髪の女性よりも、お姉ちゃんよりも、カンピオーネである草薙さんにも勝る黒い呪力。冥界の皇子にふさわしい“死”を体現したかのようなそれ。
カンピオーネとして覚醒したことにより動かなかった脚に力が、光を映さなかった瞳に光が宿っていく。
その光景をわたしはうっとりとした表情で見つめた。
そして溢れる呪力の本流が収まった後にゆっくりと車椅子から立ち上がる。それにあわせて前を譲り、彼の一歩後ろで恭しく頭を下げる。
「では、改めまして自己紹介です。ルカ・セフィーネです」
にっこりとと笑う彼に皆さん、特にお姉ちゃんと金髪の女性はは呆然としている。
ルカ君が本当にカンピオーネだとは思わなかったのだろう。
沈黙が続きそうだったのでここはわたしが場を進める。
「草薙王はよしとして、何故我が君が貴女方より先に名を明かさねばならぬのですか?」
この言葉により、お姉ちゃんと金髪の女性が慌てて膝を着いた。
「この七雄神社にて巫女を務めております。万里谷祐理と申します」
「ミラノ、赤銅黒十字にて筆頭騎士、王であらせられます草薙護堂様の騎士を務めておりますエリカ・ブランデッリと申します。恐れ多くも御身に対する数々の無礼、どうが御許しください」
やっと二人が相応の態度をとるようになったのでこんどは私の番とルカ君の横にならんで草薙さんに向かって優雅な礼をる。
「お初に御目にかかり恭悦至極にございます。恐れ多くもルカ様から庇護をいただいております。そちらの万里谷祐理の妹になります。万里谷ひかりと申します。先程はお見苦しいところを晒した大変な無礼をお詫び申し上げます」
「え、万里谷の妹!?」
「あ、ひかりさんのお姉さんでしたか」
驚愕によりお姉ちゃんをみる草薙さんと笑顔でわたしを見てきたルカ君にそれぞれ顔を伏せたまま頷き、また笑顔で返した。
「さて、自己紹介も済みましたね。いろいろ聞きたい事もあるでしょうがあまり時間もないので、ゴルゴネイオンの処遇についてお話ししましょうか」
「恐れ多くも、発言を御許しください」
最初に口を開いたのはエリカさんだった。
ルカ君はにこやかにどうぞと言って発言を許可した。彼の空気に目の前の三人の緊張が少し解れたように見えたが私は緊張を崩さない。これは王の会合なのだ。まず始めに草薙さんが発言しなければならないのに彼を押し退けて彼女が出張ってきた。
「ゴルゴネイオンは我が国イタリアが我が君に託した神具です。されどセフィーネ王と云えど無闇な干渉は避けていただきたく存じ上げます」
「うん
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