拝啓お母さん。護堂お兄さんに会ってきました。
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こうするしかなかった。
王が戦ってくれるなら日本が滅びることもない。
被害は伴うだろうが具申し、少しでもここから遠ざけるべきだ。
ひかりのことは甘粕さんに任せよう。
だから私は王に戦っていただくように頼んだ。
「王次第と云うならばそれは僕が引き受けましょう」
まだ、幼い少年の声がした。
ゆっくりと顔を上げて境内の入り口、鳥居の方に向けるとそこには車椅子の少年がいた。
金色の髪を風で靡かせるその少年はひかりと同じくらいの年にしか見えない。
次に私の視線が移ったさきは少年の後ろ、車椅子を押す少女へと向けられた。
「ひか、り?」
その少女はひかりだった。彼女は家を飛び出した時のような寝間着ではなく、黒いワンピースと柘榴をあしらった銀色の髪飾りを身に纏っている。その表情はいつもの天真爛漫なモノではなく、一人の巫女としての表情。
その視線は若き神殺し。草薙護堂を真っ直ぐ見据えていた。
「子供?」
「あら、どこで私達の話を聞いてたのかは知らないけどお姉さんたちは大事な話をしているの。デートに静かな場所を選ぶのは中々のチョイスだど思うけど今は先約があるからまた後でいらっしゃい」
草薙さんとその騎士であるエリカさんは困惑した。だけどエリカさんは直ぐに二人にこの場を去るように促しながら歩み寄り少年の頭に手を伸ばした。
「この御方を誰と心得てその御頭に手を伸ばしますか」
だがそれはひかりによって遮られた。
その声にははっきりと敵意が満ちている。
「下がれエリカ・・・」
「護堂?」
草薙さんがエリカさんに下がるように言った。
その言葉をの真意を確かめようとして、彼を見た瞬間私達は目を見開く。草薙さんから呪力が溢れていた。およそ人の持てるそれではなく、それは神々や同胞と相対するそれと同じであった。
「そいつは・・・」
「はじめまして。七番目、いや八番目の王草薙護堂さん。僕はルカ・セフィーネ。今代四番目のーーー」
少年がにっこりと笑った。
「「カンピオーネです(だ)」」
草薙さんとルカ君の会合が始まった。
ルカ君の名乗りにより硬直するお姉ちゃん達。
「流石のお母さんの権能でも草薙さんの近く、ましてや目の前では気付いちゃいますか」
ルカ君はわたしに手を離すように促したので素直に女性の手を離した。女性はすぐさま飛び退いて草薙さんを守るように前に立つ。
「護堂、あの子は本当にカンピオーネなの? 覇気どころか呪力も感じられないんだけど」
どうやらルカ君が本当にカンピオーネなのか未だに疑っているよ
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