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黒魔術師松本沙耶香  薔薇篇
35部分:第三十五章
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速水が言った。
「私達はまだ死ぬわけにはいかないのですよ」
「あら」
「私はまだこの方の愛を勝ち取ってはいないのですから」
 沙耶香に顔を向けて述べた。
「それまでは死ねないのですよ」
「じゃどうするのかしら」
「それは決まっています」
 薔薇の魔法陣から不気味な七色の光が溢れ出てきている。速水はそれを見てもまだ平然としていた。間も無く魔界の入り口が開らこうとしているのに。彼は落ち着いたものであった。


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