第1章 光をもとめて
第8話 消滅の対戦
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〜リーザス城 コロシアム控え室〜
もう1つの準決勝が行われる直前の事、ユーリはランスの試合を見終えた後、控え室へと戻ってきていた。
《ランス VS ユラン》
あの戦いでの最後の一撃。確かに威力は確かに凄まじい。戦士としての才能は 素晴らしいものだと改めて実感していた。それは、敗れはしたものの、ユランもそうだ。
……ランス・アタックと言う名は知らないが(自分の名前入れてるだけだから)あの一撃と衝撃波。出鱈目に見えるのに、それに反比例しているかの様に強い一撃だった。久しぶりに、血肉脇踊りかねない程に……。
そして、その試合に触発された者は他にもいた。
「ふふふ……、この世界の≪猛者≫と言った所か。やはり この大会に出場したのは正解だったようだ。……今までは肩慣らしにもならなかったが。こいつは違うようだ」
同じくランスとユランの戦いを見ていた男が笑みを浮かべながら呟いていた。この男こそが、今大会、ユーリと準決勝で当たる相手である。
(……聞かない名だな。だが、あの実力は並ではないのは確かか。……恐らく、ユラン以上か)
ユーリは、その男をチラリと見てそう思っていた。
今大会、圧勝で勝ち進んでいるのはランスや、ユラン、ユーリだけではない。圧倒的な速度、そしてパワーで相手をなぎ倒して 無傷のまま勝ち上がってきている。
薄い金髪、そして身体つきは外見からは強くはなさそうだが、その身体は、鍛え上げ凝縮されているのが良く判る。
様々な場所で、様々な者を見てきたユーリだからこそ、判るのだ。
「おい」
モニター画面から視線を外し、ユーリの方へと声を掛けてきた。
……彼の横顔を見ていたから、気になられていたのだろうか?と一瞬思ったが、そこまであからさまに視線を向けていたわけではない。だから、自然に振舞った。もしも、クレームの類があるのであれば、非を詫びる事も考えつつ。
「なんだ?」
「……お前は強いな。戦っている所を見て、傍で見て、よく解る。次の仕合い……楽しみにしてるぞ。存分に……仕合おう」
清十郎は、ユーリを見て、不敵な表情で笑っていた。
だが、それは 自分が負ける事などまるで考えてない目だ。
これまでで、ユーリはそんな目をしている者を何度か見てきた。……確かに、その中でも随一の実力者だと言う事は判る。ここまで接近し、相対したからこそ、判るのだ。
「楽しめるかどうか……は保障できないがな。手は抜かないさ」
「ふ……面白い」
そう言うと、背を向け……先に舞台へと向かっていった。歩く後ろ姿にも、隙が見えない佇まいだった。
「ふふ……」
だが、能ある鷹は爪を隠す、と言うモノだ。負けん気も当然必要だとは思うが、強さと言う
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