第1章 光をもとめて
第8話 消滅の対戦
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部分をも隠し通す事も、重要だと言っていい。……実力を出させる前に、倒す事も、正解だ。
「……楽しめそうだ」
後者に関しては、ユーリは肯けない。男の戦いと言うモノは、相手にも全力を出させる事が重要だろう。そして、ユーリが言う様に楽しむためにも。
ユーリはそう呟くと、少し遅れて舞台へと入っていった。
戦闘を完全に楽しもうとしているユーリが、ここにはいた。
〜リーザス城コロシアム 観客席〜
舞台のボルテージも冷め止まない。
ユランが、敗れた事にショックを受けている客も何人もいるが、それ以上に、良い試合を見れたと思い、そしてその思いを声に変えて叫んでいたのだ。
だが、正直な所、《ランス vs ユラン》以上の試合は恐らくこれから5〜10年は来ないだろうとも思えていた。つまりは歴史的勝負の舞台に立ち会えたと思っていたのだ。
歴史の証人になれた、との声も上がっていた。
そんな熱気渦巻くコロシアム内に、1人の少女が駆けつけていた。
「はぁ……はぁ……、よ、良かった。なんとか、間に合ったよ……」
肩で息をしつつ、間に合った幸運に感謝をしていた。
確かに、今大会で絶対王者とも呼ばれたユランが敗れた事は少なからず動揺していたが、そんなの(失礼だけど)よりも、ずっと重要な一戦を見逃さずに来る事が出来て本当に良かったと。魔法ビジョンで、試合はなんとか見る事が出来ていたし、永久保存も済ませている。 だが、準決勝からは絶対に見に行くと、決めていたのだ。 なんとしても、仕事を全て終わらせて、この眼で彼を見る、と。
「ユーリ……さん」
ぽつりと、呟くその名前。
彼の事を知っている人は殆どがその可愛らしい、と言えなくも無い顔造りだと、からかい、時には迫る人ばかりだが、純粋に想っている人も少なくは無い。これは、別話だが、≪大人になれる≫≪大人の階段を上る≫とか何とか言われ、床の経験も済ましていたりもしていると思われているユーリ。……それが真実かどうか、知る者は誰もいないけれど。
「……また、会う事が出来そうで、……見られるのがとても嬉しいよ。ユーリさんっ」
その表情が赤く染まる。
走ってきたから火照っているのか?と思えなくも無いが、恐らく逸れはハズレだろう。ずっとずっと、強くユーリの事を想ってきた少女だから。
そして、試合は開始の合図が高らかに出された。
〜リーザス城コロシアム 舞台上〜
「さあ〜〜、本日の2戦目の準決勝の始まりです〜〜!!」
ナギサの仄々高らかボイスが会場に響き渡る。それにつられて歓声も沸き起こる。
「さぁ〜て、これまでの試合、両者ともにほぼ無傷
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