ターン31 未知の鉄砲水と帰ってきた『D』
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手札:0
モンスター:フィッシュボーグ−アーチャー(守)
魔法・罠:1(伏せ)
エド LP1700 手札:0
モンスター:D−HERO Bloo−D(攻)
魔法・罠:1(伏せ)
もはや僕に手札はない。場に存在するモンスターはアーチャーただ1枚のみ。そしてこのセットカードは、永続トラップのバブル・ブリンガー。レベル4以上であるBloo−Dの直接攻撃を完全にシャットダウンできるのみならず自身と引き換えに墓地のレベル3以下水属性同名モンスター、グレイドル・コブラを蘇生できるカードではあるが低レベルが多いディーヒーロー相手では守りの効果も微妙に心もとないうえに、蘇生効果もネタがばれている以上何らかの対策を取ってから出ない限り攻撃はしてくれないだろうから過信はできない。どちらも決め手になれない以上は最後のこのドローに、全てを賭けるしかない。
「トップ勝負、上等ってね。ドローッ!」
恐らく最後のチャンスであろう1枚のカードを引き、祈りつつそれに目を向ける。そのカードは………。
「おや、先輩?確か先輩はもうジェネックス参加資格がないはずですが……何してるんですか?」
「あ、葵ちゃん!?」
鋭い声を頭上から投げかけられ、咄嗟にエドとほぼ同タイミングでデュエルディスクの電源を落として手札を隠す。その声の主は、今では光の結社の中でもトップクラスの地位にいるほどの実力者である葵・クラディー。元・僕の弟子だった娘だ。
そして、かなり鋭い子でもある。おまけに僕のことをよく知っている。つまり、誤魔化すのは困難と言うことだ。厄介な相手にあったもんだという内心を表に出さないように気を付けながら、できる限りいつも通りに応対する。
「ど、どうしたの葵ちゃん。僕みたいに光の結社の『素晴らしさ』がわかんない相手なんぞに話しかけてさ」
「私も先輩と話してるとどんどん人間の格が下がる気がするから嫌なんですけどね、先輩はあんまり放っておくと何するかわからないタイプですから時々何してるのかだけは押さえとかないといけないんですよ」
そしてこの相変わらずなきっつい物言い。これに関しては前からそうだったしそれが彼女の魅力でもあったんだけど、僕と一緒にケーキ作ったりクッキー焼いたりチョコ溶かしたりしてるうちは少なくとも他人のことを一方的に見下すようなことだけは言わなかったのに。
でも、少なくとも何をしてるのかは理解できた。僕の監視とは、ずいぶんと特別扱いされる身分になったもんだよ。僕のグレイドルもエドのBloo−Dも、いわば対光の結社のために手に入れた切り札。こんなところでみすみす明かすわけにはいかない大事な手の内だ。だからとっさにソリッドビジョンを消すために電源を落としたんだけど、葵ちゃんの今の物言いから考えて僕らのデュエルは見ていないら
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