暁 〜小説投稿サイト〜
遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターン31 未知の鉄砲水と帰ってきた『D』
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!!」

 エドの足元に酸化した血のように赤黒い空間のひずみが生まれ、その中にエドの場にいた3体のディーヒーローが吸い込まれていく。まるで本物の血の池のように波紋が立ったひずみの中心から、僕がこれまで見てきたヒーローと名のつくモンスター群からは全く異なる異質な、未知の恐怖とでもいうべき男が浮かび上がってきた。人間らしい顔とはまるでアンバランスな、まるで目のない化け物の頭部のように鋭い牙がびっしりと生えた右腕。明らかに悪魔のそれである鋭い鉤爪と、それを支えて振り回すための太い左腕。闘う前からすでにボロボロになった両の翼はその悠久の戦績を物語り、太い尾がますます悪魔的印象を強めている。

 D−HERO Bloo−D 攻1900

「な、なんだこれ……」
「驚いたか?まあそうだろうな。光栄に思え、このカードは僕も使うのは初めてだ。そしてこれこそが、僕が斎王に戦いを挑むことを決意した最大の理由。あいつには人知を超えた力があるが、このカードならそれに対抗できると僕は信じている。バトルだ、Bloo−D!幽鬼うさぎに攻撃、ブラッディ・フィアーズ!」

 悪魔の翼を異形のヒーローが広げると、そこから文字通り血の雨が降り注ぐ。幽鬼うさぎの綺麗な銀髪が、その中へ消えていって見えなくなった。

 D−HERO Bloo−D 攻1900→幽鬼うさぎ 守1800(破壊)

「これで邪魔者は消えたな。メイン2にBloo−Dのエフェクト発動、クラプティー・ブラッド!」

 攻撃を終えて翼を畳んだBloo−Dの影が背中から無数の筋になって伸び、それぞれに意志があるかのごとく蠢いてムーラングレイスの巨体を縛り付ける。全力で抵抗するムーラングレイスの奮闘虚しくその体は自分よりもはるかに小さいBloo−Dの方へと恐るべき力で引きずり込まれていき、なんと明らかに質量の小さいBloo−Dに丸ごと吸収されてしまった。

「こ、これは……!?」
「Bloo−Dは1体のみ、相手モンスターを吸収して装備カードにすることができる。そしてその攻撃力の半分を自らの攻撃力に加算する」

 D−HERO Bloo−D 攻1900→3300

「だが、これだけでは固定値が上がった代わりにずっと出しにくくなった劣化サクリファイスにすぎない。Bloo−Dを究極のDたらしめているもう1つのエフェクトは永続効果、このカードが存在する限り相手フィールドのあらゆるモンスターエフェクトは無効となる」
「こっちだけに作用するモンスター効果無効効果……そんな無茶な」
「例え誰がいかなるモンスターを繰り出そうと、そのエフェクトをすべて無効にするこのカードの前では無力。これだけの攻撃力があれば、戦闘で突破するのも難しいだろう。さらにカードを1枚伏せ、ターンエンドだ」

 清明 LP50 
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