ターン31 未知の鉄砲水と帰ってきた『D』
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は選択の余地が生まれた。すなわち、グリズリーマザーに攻撃するか否かだ。属性リクルーターであるグリズリーマザーで引っ張ってこれる最高打点は1500、そして終末の騎士の攻撃力は1400。普通に考えれば、攻撃したら返しのターンで返り討ちになる。
「終末の騎士で、グリズリーマザーに攻撃!」
ギラリと光る一刀が振り下ろされ、青い熊が両断される。エドは攻撃してきた。それはつまり、彼にその後の策が何かあるということに他ならない。
だけど、こっちだって馬鹿じゃない。何か企んでいるというのなら、新しい力で相手するまでさ。
「グリズリーマザーの効果でデッキから攻撃力1000、グレイドル・コブラを特殊召喚!」
「何、攻撃力1000だと!?」
地面に銀色の水たまりが染み出し、ぶくぶくと泡立ちながら赤いコブラの姿になる。
グレイドル・コブラ 攻1000
「グレイドル……?なるほど、それがお前が手に入れた力か。いいだろう、カードを1枚伏せてフィールド魔法、幽獄の時計塔を発動!」
修学旅行でも見た、不気味な夜の時計塔。今はまだ12時を指しているけれどあの時計は僕のターンが来るたびに3時間ずつ時を刻み、再び12時を指した時に恐ろしい囚人が解放される。
「これで、ターンエンドだ」
清明 LP4000 手札:4
モンスター:グレイドル・コブラ(攻)
魔法・罠:なし
エド LP4000 手札:3
モンスター:終末の騎士(攻)
魔法・罠:1(伏せ)
場:幽獄の時計塔(0)
「僕のターン、ドロー」
「この瞬間、時計塔の針が動く!」
「いいや、針は動かさせないね。相手フィールドのカードが発動したことで手札から幽鬼うさぎの効果発動、手札またはフィールドのこのカードをリリースしてそのカードを破壊する!ドレッドガイのギミックはよく知ってるんだ、そう簡単に開放はさせないよ」
時計台の前に立つ銀髪の少女が、ゆっくりと動き始めた針めがけて腰に差した鎌を投げつける。見かけからは想像できないほどの力で投げられたそれは一直線に文字盤に突き刺さり、時計台はゆっくりと崩れ落ちた。それを見た少女は無表情ながらもどこか満足げに頷き、時計台の残骸には目もくれずに引き返す。
これでエドのペースはだいぶ崩せたかと思ったが、いまだその表情に変化はない。確かにエドのエースはまだもう1体、ドグマガイが控えている。
「さらにこのターンに、ハリマンボウを通常召喚」
ハリマンボウ 攻1500
さて、どうしようか?このターングレイドル・コブラで自爆特攻して終末の騎士のコントロールを奪い、2体でダイレクトアタックすれば総ダメージはだいぶ高くなる。一応そういう戦術もあるにはある。でも、やっぱり自爆特攻はやりたくないな。
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