ターン31 未知の鉄砲水と帰ってきた『D』
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スッと表情をまじめなものに変える。この切り替えが肝心で、うまいことやらないと相手を怒らせるだけで終わってしまうが成功すればぐっと精神的に優位に立つことができる。言い換えれば、相手が勝手に警戒したりビビったりしてくれるのだ。今回は成功したらしく、明らかにエドの表情が変わった。
「斎王には僕も色々と恨みがあるんでね。もちろん僕だけじゃなくて、十代や万丈目たちだって立派な被害者さ。それを差し置いて自分だけで突っ込んでこうだなんて、ちょーっとムシがよすぎるんじゃない?」
「くっ……」
ここでもしエドがほんの少しでもいつもの冷静さを取り戻したら、多分僕がいくら探りを入れても無駄だったろう。というかそもそも、今僕が言っている理論にかなり無理があることにだって気づけたはずだ。もしエドが斎王を止めようとしているのなら、付き合いが一番長いエドにその権利があるだろうし。だけど、この時のエドはほんの少しだけそれが足りていなかったのだ。正確に言うと、足りなくなるように誘導したんだけど。
ただ正直なところ、僕としては近々光の結社に殴り込みをかける予定だったからエドにもそれに参加してほしかっただけなのだ。今のままだといくらなんでも人数差がありすぎるから、ここでエドほどのデュエリストが味方になるとぐっと頼もしさが増す、そんな程度の考えだった。だけどエドの一言で、また自体は僕の予想外の方向へ動き出してしまう。
「わかった。なら、今すぐここでデュエルしよう。僕が勝てば、今度こそ誰にも邪魔はさせない。それなら文句はあるまい」
「あー、いや……」
参ったな、そう来たか。微妙に言っていることがずれていることを教えようとして、寸前で思いとどまった。心のどこかに、昨日のリターンマッチがしたいという思いがあったのも否定しきれない。どれだけあーだこーだと言ったとしても僕もエドも本質はデュエリスト、常に戦いを求めるタイプなのだ。
「……そう来なくっちゃ。それじゃ、デュエルと洒落込もう!」
「フン。どうせやるからには、また昨日のように無様な真似を見せるなよ?」
「「デュエル!」」
昨日のエドとのデュエルではエドが先攻だった。だからというわけではないだろうが、今度は僕が先攻だ。本当はドローできる後攻の方がよかったけど、まあ贅沢は言ってられない。
「まずはこのカード。グリズリーマザー、守備表示!」
グリズリーマザー 守1000
「これでターンエンド」
「良くも悪くも無難な立ち上がりだな。僕のターン、ドロー!カモン、終末の騎士!このカードは場に出た時、デッキの闇属性モンスター1体をセメタリーに送ることができる。この効果で、ダッシュガイをセメタリーへ」
この次に繋げるための布石であろう一手を止める手段は、ない。だけど、ここでエドに
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