暁 〜小説投稿サイト〜
遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターン31 未知の鉄砲水と帰ってきた『D』
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くれるのはありがたいんだけどさ、やっぱり僕もこの機会を逃したくないんだよね。全国のデュエリストがこの島に揃ってる、こんなデュエルの神様がくれたみたいなビッグチャンスをさ」
「そうか、わかった。じゃあ、お互いワクワクするデュエルをしてこような!」
「もちろん!じゃ、お先ー」

 最後にもう一度だけディスクとデッキを確認し、他のメンバーより先に外に出る。せっかくだし、所属のラーイエローで先のデュエルのダメージを癒してる翔の見舞いにでも行こうかな。
 ………と思ってからたった数分。なんだか妙にこそこそしているエドの姿を見つけ、いつも堂々とした態度の彼がこそこそと動いている異質さにいっぺんに興味がそっちに移ってしまった。ごめん翔、と心の中で一度謝ってから、その後をゆっくりついていく。

「………何の用だ?今は取り込み中なんだ、あとにしてくれ」
「なんだ、ばれてたのね」
「プロになると、マスコミやパパラッチのせいで嫌でも感覚が鋭くなるからな。お前の尾行に不備があったわけじゃない、むしろ僕が会った中でもトップレベルだ」
「昔はもうちょい完璧だったんだけどねー、こっち入学してからすっかり鈍っちゃったかね。ま、それはまた考えればいいか。どうせばれたんならはっきり聞かせてもらうけど、何やってんの?」

 ちょっとした崖の下の砂浜、普通に道を歩いていればまず見えない位置にわざわざ立ち寄ったかと思ったら、その場で振り返って開口一番にこれだ。遠まわしに聞こうとする余裕はなさそうなので、ずばりと本題に入る。だがエドは馬鹿にするように鼻を鳴らし、元の方向に戻ろうとした。

「なんでそれを言う必要がある?だいたい、センパイはつい昨日僕に負けたじゃないか。力もないくせにむやみに首を突っ込みたがるのはやめておくことだ」

 うぐ。まったくの正論に一瞬言葉が詰まるが、腰につけたデッキの重みにすぐに気を取り直す。そう、僕はもうこれまでとは違うのだ。エドも背を向けた状態ながらその自信を察したらしく、ほんの僅かに不敵な、それでいて嬉しそうな笑みを浮かべながらもう一度振り返る。

「どうやら、何か掴んだようだな。面白い、予定変更だ………と言いたいところだが、生憎僕にも外せない用事がある。斎王の相手が終わったら、また相手になってやろう」
「斎王の……?」

 どういうことだろう。確かにちょいちょい気になる部分はあったけど、それでもエドは表だって斎王に刃向うような真似はしないと思っていたのに。本人も僕の顔を見て少し喋りすぎたと後悔したらしく、これ以上余計な情報を出すまいとさっさと退場しようとした。その前にさっと回り込み、ニコニコと笑いかける。

「……もうこれ以上話すことはない」
「まあまあ」

 案の定のつれない言葉にもにこやかに返し、そのタイミングで
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