暁 〜小説投稿サイト〜
遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターン31 未知の鉄砲水と帰ってきた『D』
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 ………もう、朝か。
 ふと気がつけば窓の隙間から差し込んできている日の光に目を覚まされ、ぐっと体を持ち上げる。机に突っ伏した姿勢で寝ていたのと昨日のデュエルのせいで最初のうちは若干ぎこちなかったが、少し手足を動かすうちにどうにか調子が戻ってきた。

「……できた」

 誰に聞かせるでもないが、ぽつりとつぶやく。机の上には大量のカードが広げられ、その中心にはきっかり59枚のカードの束が置かれている。気がつけば寝落ちしていたけど、ほぼ一晩かけて組み上げたこれが僕のデッキ。純粋なパワー勝負では他の属性に一歩劣る水属性がそれに対抗すべく生み出した、全く新しいコンセプトを基にする新デッキだ。
 そしてこのデッキを作り上げた今、僕がすることは決まっている。手早くデッキとカードを所定の位置にしまってからくるりと身をひるがえし、とっとと部屋から出て行った。………まずい今何時だこれ、さっさと朝ご飯作んないとみんなに迷惑かける!





「そういえばさ、皆ジェネックスってどんな感じなの?」
「このメンバーの中では、俺が一番メダルは多いだろうな。もう数十個は集めたから、持ち歩くのに不便でしょうがない」

 ふと気になったので朝食を食べながら話題を振ってみると、やはり万丈目がトップらしい。その言葉通り、ちょっと服を広げると内ポケットにはぎっしりとメダルが詰まっていた。あーあそんな乱暴に詰め込んで、ポケット破けたら誰が縫い直すと思ってるんだか。
 それは向こうから頭を下げてくるのを待つとして……待てよ、万丈目のことだから敗れたら即新品を買う可能性もあるのか。それはともかくとして、他に気になっていたことを聞いてみる。

「そもそもこのジェネックスってさ、いつまでやるんだっけ」
「さあな。ただ、こんな機会が次もあるとは限らないんだ。できるだけたくさんのプロとデュエルしないとな!………ヘルカイザーだって、いつまでこの島にいるのかわからないし。今結構仕事の予定があって、ジェネックスに参加したのも本人の希望があったかららしいぜ?」
「へー。まあ、今レッド寮で生き残ってるのは十代と万丈目だけなんだから、あんまし無茶はしないようにね?」

 こう言いはしたけれど、この2人がことデュエルに関して僕の言うことを聞くわけがないからあまり気持ちがこもった言葉ではない。僕だって同じこと言われたら当然のごとく無視するだろう。もっとも、自分たちの好きにやらせたって実力で勝ち残るタイプだからそれ以上の追及はしないでおくけど。
 あとは他愛無い話をしながら朝食を終え、洗い物まできっちり済ませてから出発準備中の2人に声をかける。

「さてと、僕もこのデッキ試したいし、ちょっとプロに頭下げて対戦してもらってくるねー」
「ん?それなら俺が相手に……」
「そう言って
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