第8話 有栖家スーパー銭湯に行く(プール編)
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してやるよ」
「うん、ありがと」
そう言って顔を背中に付けてくる。
「おんぶも懐かしいね………」
「そうだな、あの時以来か………」
俺が言ったのはライたちが家に来て間もないころのことだ。
星はその頃から家事を、夜美は何故か分からんがドラマの再放送にはまっていた。ライは………
「行ってきま〜す」
「行ってらっしゃい」
「気をつけろよ」
放課後に外で遊んでいる子供たちと遊ぶのが日課になっていた。
ある日…………
「ライ遅いな……」
時刻は7時、いつもなら5時半頃には帰ってくるはずなのだが、今日は帰ってなかった。
「どうしたのでしょう………」
「何かあったのかな………ちょっと探してくるわ」
「私も……」
「星はご飯の準備を。それに星達はまだあまりこの周辺を知らないだろう?」
ソファから我もと言いそうになっている夜美にも言う。
「そうですね、分かりました」
俺は返事を聞き、上着を持ち玄関に向かう。
「レイ、気をつけろよ」
「ああ、行ってくる」
夜美に見送られ外へ出た。
20分後…………
「ったくどこにいるんだよ………」
今いるのは海鳴市にある3つの公園のうちの一つ。
家に一番近い公園も見てみたがいなかった。
ここしか教えていなかったはずなんだが………
そして次の公園で、
「うう………ぐすっ……」
「ん?この声は………」
その公園に入って周囲を見渡す。
すると少し奥のベンチに座る青い髪の女の子がいた。
「お腹減ったよ……星……夜美……………レイ………」
「呼んだか?」
「えっ!?」
驚いた顔で俺を見るライ。
「レイ!!!」
俺の姿を見たとたん、飛び込んできた。
「ったく、あれほど遠くに行くなって言ったのに……」
「だって、みんな違う公園で遊ぶって言ってたから………」
落ち着いたライに近くの自販機で買った暖かいお茶を買ってあげた。
春先だが、今日の夜は一段と寒い。
なぜこうなったのか、
どうやらみんなでこの公園で遊ぶことになったらしく移動してきたらしい。
途中まで友達と帰ってたけど友達も家に着き、ライが一人だけになったみたいだ。
いろいろ歩いたが、結局迷って、この公園にまたついたらしい。
素直にこの辺りを知らないって言っておけばよかったのに………
「まぁいい。それじゃ、帰るぞ。二人とも腹空かして待ってるだろうから」
「うん………」
立ち上がり、缶をゴミ箱に捨てる。
だが、ライは一向に動こうとしない。
「どうした?」
「お腹減って動けない………」
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