32部分:第三十二章
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ところで出会うなんてね」
依子はここで二人を見据えて苦笑いとも挑戦とも見える不思議な笑みを浮かべてきた。
「思いも寄らなかったわ」
「ええ、こちらも」
沙耶香もそれに応える形で言った。
「まさかあの人に孫がいたなんて」
「只の孫じゃないわ」
依子は言う。
「私は御婆様の最愛の孫にして最後の弟子」
「そう」
「そしてその夢を受け継ぐ者」
「じゃあここでそれを実現しようとしているのね」
「そうよ、五人の生贄で」
依子は言った。
「五色の薔薇に捧げた五人の生贄」
「陰の薔薇によりそれを刻み」
「陽の薔薇の園でその陰の力を解放しそこに魔を招く」
「そうよ、この世に魔界を作り出す」
依子はそう言いながらぞっとする笑みを浮かべてきた。それは人のものとは思えないものであった。魔界に棲む異形の者達の笑いそのものであった。
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