第八十三話
[7/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
らしい。里香はさらに俺への追求を進めていくが、その頬の赤みから、照れ隠しかと思えば可愛いものだ。そんなようなことを考えながら里香の話をスルーしていると、どうやら聞いていないことに気づかれたらしく、里香が放っているオーラがさらに強くなっていく。
「あーんーたー……」
――とりあえず怒り心頭の里香に、どうやってゾンビに囲まれていることを知らせるか、というのが急務だろうか。それとも、里香の発するオーラに耐えられないのか、俺たちに攻撃してこないゾンビたちに礼を言うのが先だろうか……?
「……酷い目にあったわね……」
「ああ……」
そんなこんなでゾンビの群れから命からがら逃げだし、なんだかんだでボスを撃ち倒して病院から脱出した俺たちは、再びブリーフィングルームに戻ってきていた。音に誘われておびき寄せられたゾンビに囲まれたり、ついついCGだということを忘れて蹴りを入れようとしてしまったり、色々あったが何とかクリアできたらしい。……もちろん、クリアした時のポイントは散々だったが。
「で、これが結果か」
ブリーフィングルームでジャケットやレーザーガンを脱いでいくと、俺たちの前に二枚の紙がテレビ画面から排出された。その紙に記されているのは、このゲームのクリアポイントと、その二人組の相性を点数としたものと、プレイヤーの性格診断……だ、そうだ。全くもって余計なお世話だったが、カップルが多かったのはこういう理由か。
「ほら」
「ん。ありがと」
里香の性格診断が書かれた紙を彼女に渡し、もちろん自分の分はこちらに持ってくる。確かに余計なお世話以上の何者でもないのだが、里香との……彼女との相性と言われて、気にならないと言えば嘘になる。まず視界に映ったのは、先程までテレビにも映っていた、見る影もない壊滅的なクリア時の評価ポイント。
そして次に、ゲームを通して集計した相性を数値化した、という数値が――
「「……72点……」」
――残念そうな感じの声色のセリフが、俺と里香が一字一句同じように重なった。もちろん百点満点中の計算なのだが、低いわけではないのだが高いわけでもない、要するに絶妙に微妙な数値が表示されていた。
「微妙だな……」
「微妙ね……」
……顔を見合わせてその微妙な点数を確かめ合うが、やはり72点のまま変わらない。どことなく不満が残らないわけでもないが、これ以上何かに文句を言っていても仕方がない。……いや、ゲーム内では喧嘩して逃げていただけなので、むしろ高い点数なのだろうか、これは。
……それはともかく。その紙に書いてある三つ目の事項、ゲームでの行動からの性格診断。血液型性格診断と同じくらいの信用度だが、とりあえず読んでみると――
「……リズはどんな性格だ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ