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ドリトル先生と森の狼達
第八幕その六
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「一体」
「そう言われてもね」
「僕達外の世界のことはあまり知らないし」
「果たしてどんなことになるか」
「たまに狩人の人は見るけれど」
「本当にたまだしね」
 人を見ること自体がというのだ。
「何か何代か前は山に住んでいる人もいたらしいね」
「そうそう、ここにもね」
「あの人達まだいるのかな」
「いるんじゃないの?この辺りに」
「ひょっとしたらね」
「あれっ、山窩の人達もいるのかな」
 先生は狼さん達の山に住んでいる人という言葉から察しました。流石に学問のことになると鋭いものがあります。
「ここに」
「僕達は見ないけれどね」
「昔はそうした人もいたみたいだよ」
「ここは山ばかりだからね」
「僕達の縄張り以外の場所はあまり知らないけれど」
「今はどうかな」
「いるんじゃない?」
 山窩の人達についてはです、狼さん達は疑問形でした。
「まあその人達のことは知らないけれど」
「縄張りの中のことは詳しいしね、僕達も」
「そうそう、住んで暮らしているし」
「だからね」
 それ故にというのです。
「この辺りのことなら何でもね」
「先生も聞いてよ」
「遠慮なくお話させてもらうから」
「何でもね」
「それじゃあ君達のことも」
 先生も狼さん達に応えます。
「教えてくれるかな」
「それじゃあね」
「どんどんお話させてもらうよ」
 こうしてです、狼さん達は自分達のことも縄張りの中のことも先生に尋ねられるままお話しました。そして。
 ここで、です。先生は全部聞いてから狼さん達に笑顔でお礼を言いました。
「有り難う、いいことを知ったよ」
「だといいけれど」
「何でもないことだけれどね」
「そうだよね、僕達にとっては」
「それこそね」
「こんなことで喜んでくれるのなら」
 狼さんたちにしてもというのです。
「冥利に尽きるよ」
「先生が喜んでくれるのなら」
「もうそれでね」
「満足だよ」
「僕は満足したし君達も満足したよ」
 こう答えた先生でした。
「それは最高だね」
「確かにね」
「お互いに満足したのならね」
「それでもう最高だね」
「言うことがないね」
「そうだよ、何はともあれ」
 先生は笑顔のまま言うのでした。
「君達のこともこの辺りのこともわかったよ」
「変な人達のことは?」
「その人達のことは?」
 狼さん達は先生にこの人達のことを尋ねました。
「どうなのかな」
「一体」
「それで」
「わかったかな」
「いや、そのことは」
 そう聞かれるとです、先生はまた暗いお顔になりました。
「まだ答えが出ないね」
「ううん、そうなんだ」
「何か先生も悩んでるみたいだね」
「それも僕達のことで」
「悪いね」
「いや。悪いかじゃなくて」
 それ
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