第二十二話
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いるところを担任に見咎められ、追い払われたところだったんだ。
何度か野次馬に紛れながらアプローチをするも同じように発見される。あまり回数を続けるとさすがに不味いな。
そう思った頃にはもう始業が近づいていたんだ。
教室に行かないわけにもいかない。
俺は校舎に足を踏み入れ、その時初めてこれからの俺を待ち受ける困難な状況を思い出さされた。
そう……。
教室に行けば、そこには日向寧々の姿は無い。そして、当然、彼女と付き合っていた、俺の友人の漆多伊吹(うるしだ いぶき)と顔を会わさざるをえないんだ。
あいつは寧々がどうなったかを知ってしまっただろうか? それとも知らないんだろうか?
俺はアイツに問われたとき、どう答えればいいんだ?
「月人、寧々ちゃんが殺されてしまったんだ。なんでなんだよ」
「なあ月人、お前、昨日、寧々ちゃんがなんであそこに行ったか知らないか? 」
「月人、お前、あそこで寧々ちゃんと何してたんだ? 」
「月人、寧々は……死んでしまったんだ。なんで一緒にいたお前だけが生きているんだ? 」
「月人、なんで寧々を護ってくれなかったんだよぉ……」
俺は締め付けられるような苦しみを感じた。
それは、如月に殺されかけた時に感じた痛みなど比にならないくらいの苦しみだった。
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