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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
闖入劇場
第百十六幕 「空のバックスクリーンに届くまで」
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れば実現できはしない。ましてこの雷陰は電子戦に秀でた機体。外部からの干渉などIS内部のシステムと『相棒』が許すはずがない。
だが、次の瞬間くノ一は相棒の言葉を聞いて顔を顰める。
『違います、レムレース!!これはISと脳を直結させるインターフェイスの電波信号に強制的に割り込んで情報を乱しているんです!!ISの視覚、聴覚補助を切断しなければまともに戦闘を行うのは不可能です!!』
「インターフェイスに割り込み干渉ですってぇ!?クッ……最上め、何て物を作り出すのかしら!?」
今までシステムそのものを乗っ取ろうとした者は数多くいたが、まさか外部から『神経系』に強制干渉するなどという強引で乱暴な方法を思いつくなど、まともな発想ではない。先ほど使用したIS用EMPどころではない。こんな出鱈目な情報をISに見せられてはどんな達人でもたちまち動きが鈍る。
第三世代兵装、「鏡花水月」。
それは、相手を決して捉えられぬ幻のように遠のかせる『乱された
現
(
うつつ
)
』。
如何に相手が強者であろうと、術中に嵌まれば赤子も同然だった。
だが、彼女は独りで戦っている訳ではない。
幸いなことに、頼れる相棒はきっちり対策方法を用意していた。
『効果は強力ですが、これほどの干渉を行うには莫大なエネルギーと集中力が必要な筈です!パワーアシストまでは阻害できないからマニュアルで操縦すれば操作そのものに問題はありません!急いであの機体に攻撃を――後方から熱源多数!?マイクロミサイルです!!』
「………やられた!ユウちゃん達だわ!!」
このわずか数秒に賭けるために口裏を合わせていたのか――!
インターフェイス干渉によってけたたましい警告音が何重にも重なって頭に響き、ロックオン警告音が無数に分裂して視界を埋め尽くしていく。
「くぅ……脳に直接誤情報が送り込まれてくるってのは、単純に五感を騙されるより厄介ね!!」
自分の迂闊さに歯噛みしながら、くノ一は驚異的な速度でホロモニタをタップして干渉を受けている神経結合を次々に切断していく。既にこの機能は戦いの妨げ以外の何物でもない。
相棒の言葉は正しかったのか、あの月鳥とかいうISは武装も持たずにその場から動いていない。
神経切断を完了して純粋な五感を取り戻したくノ一は、すぐさま手に持った『光の鞭』を振るって月鳥に叩きつけた。
「邪魔だって言うの……よぉッ!!」
「くうううううう……でも退きませんよぉ!!為せばなる……月鳥ちゃんはオトコの子ォ!!」
『!?』(「え!?女の子ですけど!?」的なニュアンスが感じられる)
一瞬だけ月鳥がキィン、と抗議の声を鳴らしたが哀れな事に誰も聞いていない。鞭が直撃したにも関わらず、つららはのけぞりながらも一歩も引こうとしなかった
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