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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
闖入劇場
第百十六幕 「空のバックスクリーンに届くまで」
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「あらあら……てっきりあの無愛想で無骨な人形の仲間かと思ってたけど……随分表情豊かなのね?」
「どーもはじめまして!!私、IS学園1年1組峰雪つららと申します!!」
「そう。私のことは覚えなくてもいいわよ?――私も貴方に興味ないし」
「そーですか?私としては、佐藤さんの所のレーイチ君みたいな子が貴方のISにいたことも驚きですがね!『エルマ』ちゃんって言うんですか?」
「……電子戦に優れてれば、流石に相棒に気付いちゃうか」
どこまでも冷静で覚めた目線で静かに『光の鞭』を構えるくノ一を前に、無謀にも武装を持たずに突進するIS。ブルー・ティアーズより幾分か明るい青色に、アクセントをつけるような黄金色が輝くその姿は、流線型が多くみられる変わったデザインだった。
その額にある、これまたブルーティアーズに似たヘッドギアが強く輝く。
内部に高エネルギー反応を感知するが、ビームでも撃つつもりだろうか?こんな距離で命中する訳はないし、余りにも隙だっらけだった。
「ただのECCMセンサではなく特殊な装備……?まぁ、関係ないか。すぐに接敵して叩きのめすだけだし――」
『油断大敵ですよ』
「わかってるってば」
おそらくあのISは最上重工が開発していた試作IS三号機だろう。前に調べたデータと細部が異なるが、一次移行がある専用ISでは別段珍しいことでもない。その能力もまた目立ったものはなかったし、乗っている相手はどう見積もっても格下でしかない。
自分の脅威たり得ない……そう考えた瞬間、異変が起きた。
「さあ、私の専用機、『
月鳥
(
つきどり
)
』の初陣なので」
「専用機、『
月鳥
(
つきどり
)
』の初陣なので格好よく決めさせて」
「『
月鳥
(
つきどり
)
』の初陣なので格好よく決めさせていただきますよ!!」
「 「 「 第三世代兵装――『鏡花水月』 」 」 」
瞬間、くノ一はあり得ない光景を――幻影を見た。
音が、視界が、壊れたように何重にもブレていく。
一機が二機。二人が三人。背景をゆく雲が何重にも分裂し、自分の感覚そのものにラグが起きて飛び飛びの映像を見せられるような不快感と違和感が彼女を襲った。幻覚だとが偽物だとかそういう問題ではない。脳そのものに直接送り込まれるような異常が、彼女の感覚を完全に機能停止させた。
「が、あ……!?な、何が起きて――」
『レムレース!!電子干渉を受けています!!』
「馬鹿な!!たった一機でISの――雷陰のプロテクトを破るなんて不可能よ!!」
忌々しいほどに、ISはそんなに生易しいシステム干渉を許さない。第一世代のポンコツでさえプログラムに干渉して「仕込み」をするには相応の人数と設備があって、その上で数日は要する工程を経なけ
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