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インフィニット・ストラトス if 織斑一夏が女だったら
最終話《『 』》
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ぶった。
*
蝉が大きく鳴き、日光が皮膚に入り込んでいくような暑さの中、子ども達は公園の噴水で涼を得、はしゃいでいる。
IS学園襲撃事件から3ヶ月、世界は大きな節目を迎えていた。
事の始まりは、行方をくらませていたIS制作者、篠ノ之束だった。
いつものうさみみを付け、報道陣の前に現れた彼女はこう告げた。
「束さんはね、宇宙運用のためにISをつくりだしたの。でも始めは誰も、注目なんてしなかった。そして『偶然』起きた『白騎士』事件で注目をあびたわけだけどさ。」
束はわざとらしく間をおき、そしてわざとらしく笑った。
「結局使われるのは軍事目的としてだけ!他国より優位に立とうと武器ばっか作ってる!宇宙運用なんて誰もしないし、災害救助には自衛隊しか使わない!そして極めつけには各国IS器官襲撃・・・」
束は少し、眼を閉じた。
そして、次に発した言葉は全世界を驚愕させた。
「だから。束さんは、全ISコアの活動を停止させます」
報道陣が一斉にシャッターを切った。各IS関連企業は反発の声をあげた。
だが、束はそんなものがまるで聞こえていないかのようにその場をあとにした。
急いで束の研究室、『我輩は猫である』に戻ると、そこには織斑千冬がいた。
「よかったのか。これで」千冬は少し楽しそうだった。
「良いもなにも、束さんは印税でがっぽがっぽしたからね。これで何代も安泰だよ」束は顔の前に両手でVの字をつくった。
「まぁ、お前らしいな」
「所で、ちーちゃんはこれで無職になるわけだけど、束さんが養ってあげようか。」
「死んでもごめんだ」千冬は、心の底から嫌そうな顔をして答えた。
確かに、束がISのコアの活動を停止させることで、IS関連企業は大打撃を受け、小さい企業から次々と倒産した。大きい企業では新たな事業を開発し難を逃れたが、世界で約500万人の失業者が産まれた。もちろん、IS学園の教師陣も打撃を受けたわけである。
職をなくし、久しぶりの休暇。千冬は、久しぶりに自宅へと帰った。
長い間留守にし、誰も行き来しなかった家は、雑草が生い茂りどこか不気味な雰囲気を醸(かも)し出していた。
確かに自宅なのだが、あまりにもひさしぶりのためそこまで帰ってきたと言う感覚が生まれなかった。
一夏がIS学園へと入学してから初めての来訪者を招き入れた自宅から、行き場をなくし、熟した嫌な感覚のする空気が水を得た魚のように泳ぎ出てきた。
なかを見ると所々に埃が積もっている。この調子では色々なところにカビも映えているだろうと想像すると、今から嫌気が指した。
だが、自宅とは不思議なもので、そこにいると心が落ち着いた。
荷物をおいてリビングへと脚を踏み入れる
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