封印の氷地獄
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見ながらそう言う。俺も闘技場を見つめると、隣にいたナツさんが怖い顔で闘技場を睨んでいることに気づいた。
「どうしたんですか?」
「あの紫の髪の奴、俺たちと同じ滅竜魔導士なんだ」
「へぇ」
ナツさんはそう言う。けど、それがなぜ睨む理由になるのかな?
「それがどうしたんですか?」
「あいつ・・・いや、剣咬の虎にいる他の滅竜魔導士の2人、自分たちに滅竜魔法を教えたドラゴンを殺したらしいんだ」
「!!」
俺は剣咬の虎の待機場所を見る。そこには闘技場をにやにやと見ている金髪の男と隠密に出ていたルーファスさんがいた。あとの女の人と黒髪の男は今はどこかに行っているらしい。
「自分の親を殺した・・・」
「「真の滅竜魔導士となるために」って言ってやがった」
よほどナツさんは自らの手に親をかけたあいつらを許せないのか、ひどく怒った顔で闘技場を見ている。
『第三試合、開始!!』
銅鑼の音が鳴り響く会場。先に仕掛けたのは、四つ首の猟犬のウォークライさんだった。
じわじわと目に涙を浮かべると、大泣きし始める。
『出たぁー!!ウォークライの涙魔法!!』
『おもスろいよね、あのフレーズ』
チャパティさんとヤジマさんがウォークライさんを見て魔法の解説をしてくれる。
「泣いてる!!」
「涙魔法?」
「一体どんな魔法なんでしょうか?」
「というかヤジマさんの言ってたフレーズの方も気になる」
俺たちはウォークライさんの魔法に注目する。
「おおおおおおおおおおーん!!」
ウォークライさんの泣き叫ぶ声が次第に激しさを増す。
「涙の・・・数だけ・・・人は強く・・・なれ・・・」
ウォークライさんが言い終わるよりも早く、オルガさんが腕から黒い雷を出してウォークライさんを沈めてしまう。
「「「「なっ!?」」」」
あまりの電撃の威力に目を疑う俺たち。ウォークライさんは魔法も発動できないまま倒されてしまった。
『なんとウォークライ戦闘不能!!まさにオルガの黒雷が一瞬で涙を焼いたぁ!!』
沸き上がる会場。残ったのはノバーリさんだけ。
「俺だけでも負けねぇぜ!!ワイルド・・・」
ノバーリさんはグラシアンさんに殴りかかりその拳が命中した・・・かと思ったら、
「消えた!?」
「あれ!?」
殴られたはずのグラシアンさんが消えてしまう。
「それは俺の作り出した“幻”」
「なっ!?」
グラシアンさんはいつの間にかノバーリさんの後ろに回り込んでいた。
「幻竜の破壊!!」
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