暁 〜小説投稿サイト〜
転生者は英雄の力とリリカルな世界へ
3話
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言わないことには帰ることは出来ないな」

「……俺はこの子の兄だ。用件を聞こう。」

「そうか。なら結論だけ言う。
ソイツが、さみしがっている。
これで気付けないほど察しが悪いのか?オマエ」

「……何の話だ」


 俺の話し方が鼻につくのか顔をしかめながら、それでもわからないのか俺に聞き返す。
これはすれ違い方が重症みたいだな。


「ソイツ、オマエらが忙しいから我が儘を言わないように、迷惑をかけないように溜め込んでたよ。
思い当たる節あるだろう。
ああ、何故言わなかったとかソイツを責めるのは止めとけ。
オマエの兄としての尊厳が丸々無くなるぜ。
そんな(ヤツ)をそのままにしておく(オマエ)じゃないだろ?」

「!! ほ、本当なのかなのは」


 バッと振り向きなのはに確認するも、俯いたまま頷くなのは。
真っ青な顔になる恭也。


「すまない、なのは。俺は兄失格だ…。
そんなこと一番に気付かなきゃならないのに……。」

「お、おにいちゃ〜んっ!!」


 泣きと笑いが入り交じったような顔で恭也にしがみつくなのは。
うんうん、俺、良いことしたな。
とと、早々に立ち去らないとラスボス共(ご両親)に遭遇してしまう。
というわけで此処は、三十六計逃げるに如かずっと。
あ、そうそう。


「おい、オマエ。
あんまりシスコン拗らせすぎて、彼女をほったらかしにして悲しませるなよ?
そんなことしてみろ、捻じ切るからな」

「!! なにをだ!?…何なんだ、いったい」


 振り返る前に視界から掻き消える。
本格的に絡みたくないけど、忍姉さんは大事な家族だ。
悲しませるようなら、ユルサナイ。絶対に。
 
 

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