【東方Project】編
089―Ex.幻想閑話集
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てるだろう。……それも、現在進行形で。
「嬢ちゃんも逃げなっ!」
気の良い人が態々私の借りていた家まで起こしに来てくれたので、機嫌の急降下は終わった。……多分この人が来なかったら、私を起こしてくれた下手人──妖怪は、問答無用で八つ当たりの如く惨殺していたかもしれない。
(それにしてもこの妖気…)
起こしに来てくれた人について行きながら、妖怪の妖気について思考を回す。……私との多寡を比較してみると、とある事が判明した。
「強い…」
僅かではあるが、彼の妖怪の妖気は私の妖気を上回っていた。急降下した機嫌で八つ当たりの如く出張っていたら返り討ちにあっていただろう。……起こしに来てくれた村人に、勝手に感謝しておいた。
――ヒュゥゥゥゥゥ
「直ぐにそこから離れてっ!」
「嬢ちゃん、どうしたんだ──」
――ピシャァァァァンッ!
私の可聴領域に何かが入って来ていて、更に嫌な予感≠ェしたので、私を起こしに来てくれた村人に直ぐにここから離れる様に言ったが、時既に遅し。一条の稲光が、起こしに来てくれた人を貫いていた。
――「……ホネ≠ェ有りそうな妖気を辿ってみりゃあ、まさかこんな辺鄙な村に混じり≠ェ居ようとはなぁ…」
漸く止んだ目も眩む様な稲光から現れたのは、私より一回り──否、二回りは有りそうな巨体だった。……どうにも、稲妻と共に降ってきたらしい。……残念だが、私を起こしに来てくれた人はもう事切れている──いや、それだけならまだ良い方だったか。……その人は目も当てられない状態になっている。
「……なんでその人を殺したの…? 大切にしていた酒でも奪われた?」
「はんっ、そんな愉快痛快な訳など在りはせん。人間なぞ掃いて捨てられるほど居るのだ。……故に、ここらで──村1つ分程度≠ネら間引いても罰は当たりはせんだろ」
「……ふぅん…?」
私の中で、ちりり、と何かが灯った気がした。……もしこれが食べる為に2〜3人殺した>氛氓ニかだったりしたら、私は大して目くじらを立てるつもりは無かった(これは妖怪側の目線だが)。……しかし、この妖怪がやっているのは無為なる虐殺。
(間引き=H ……クソ喰らえだね)
本当に人間を間引きたいなら、京にでも行けば良い。……つまりこの妖怪はごっこ遊び≠ェしたかったが為にこの村を襲いに来たのだろう。
「……むっ、よくよく見れば、混じり≠ニは云え中々の器量ではないか。……娘、俺の夜伽の相手になるなら生かしておいてやろう。……どうだ?」
「……私には心に決めた人が居る。それともう1つ…」
佩刀していた“鉄砕
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