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ソードアート・オンライン〜Another story〜
ALO編
第140話 あの日の続きを……
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和人は、世界樹の根本にある扉の前。あのグランドクエスト開始地点へと戻ってきた。辺りを見渡すと、どうやら直葉……リーファはまだ来ていない様だ。軽く、深呼吸をして、気を落ち着かせる。すべき事、伝えるべき事はもう自分の中で決めている。今の自分に、……まだ帰還出来ていない自分に出来る事を。
「帰ってきたか」
「っ!!」
その時だった。背後にある階段下から声が聞こえてきた。周囲の確認をしたが、下側までは見ていなかったのだ。
「……ドラゴ」
「おかえり」
和人……キリトは、その人物を見て呟く。ドラゴも、キリトの姿を見て、手を上げ軽く挨拶をした。
ドラゴを見て、キリトは、一体何を説明したらいいか、判らなかった。
ドラゴに……、リュウキに何も言わずに飛び出る様にこの世界から出て行った。あの時の空気も、雰囲気も何もかも残したままで。リュウキは、人の心の機微に関しては、自分も他人の事言えないが、疎い部分があるのは十分に知っている。それが、あの世界の記憶を失っているとしたら、最初の頃のリュウキのままだろう。レイナと出会い、大切な事を育む前の彼。
そんな彼に、どう言えば良い?あれだけ、自分からは心配する様に、何処にも行かないように、としてきたのに。なのに……。
「この扉の前に立つと、何か思い出すな?」
「え?」
ドラゴは、視線をあの扉の方に向けてそう呟く。キリトは何を思い出すのか、判らなかった。
「……最終クエストに挑戦意志を質す為の選択。その時に周囲に響く大音声。……ありきたりなセリフだが、この独特なものは……忘れている何かを思い出した気がするよ」
「………」
キリトは、言葉を一瞬だけ、つまらせた。
リュウキが感じていたのは、自分のそれと全く同種のものだからだ。思い出すこと、それは間違いなくあの世界での事。轟音と大音声は、否応なくキリトにもアインクラッドのフロアボス戦を思い起こさせたから。当時のそれを、呼吸も忘れるほどの緊張感を。
「ドラ……リュウキ。俺は」
「グランド・クエストをクリアする前に行く所があるんだろう?……リーファの事で」
「っ……ああ」
リュウキは判っていた、と言わんばかりにそう答えた。疎いなどと思ってしまった自分を情けなく感じてしまうのはキリトだ。そう、あの世界での彼も……頼りになったから。深く傷つき、蹲りそうになったあの事件、ギルド半壊の事件の時も、立ち上がる力をくれたんだから。
「……何があったかは、オレから聞くつもりはない。ただ、後悔はしない様にな?……終わってから後悔しても遅いんだから」
「判ってる。……判ってるよ」
「ん、なら良い。オレはユイと待ってるよ」
リュウキがそう言うと、ユイはしゃらんっと音を鳴らせながらリュ
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