暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
ALO編
第140話 あの日の続きを……
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 そんなリーファにお構いなく、レコンは顔を傾けてくる。さらに身を乗り出して接近をしてくる。

「ちょっ……、ま、待っ……」

 顔にレコンの鼻息が届く所まで、接近されてから、漸く待ちに待った金縛りから回復し、左拳を握れた。未だにずいずいと、接触を……あまつさえは乙女の柔唇を狙おうとしている不届き者に天罰を下すが勢いで、拳を放った。

「待ってって……言ってるでしょ!!!!」

 その怒号と共に。
 カウンター、とまではいかないが、リーファの筋力値(STR)全開にして放つ左拳。
 ずごんっ!!?≠ニ言う音、人体を打ち抜く音とは思えない様な轟音を起こし、そしてレコンの身体を波動が突き抜けた。場所は、人体の急所……、鳩尾。

「ぐほぁぁぁぇぅぅ!!?!?」

 ここは、街中であり圏内。だから、体力の数値が減るようなことはない。……だが、当然ながらノックバックは発生する。その威力は、使用者の力量に依存する。リーファはシルフ領内でも屈指の実力者であるから……そのリーファの全力ともなればそれ相応の威力だ。ノックバックと共に、疑似痛覚もそれなりに発生し、レコンは1m程浮き上がった後に備え付けられているベンチに落下した。腹部を両手で押さえ、もんどりを打ちつつ 苦悶の声を上げる。

「うぐぐぐぐぅうぅぅ……、ひ、ひどいよ……リーファちゃん……」
「ど、どっちがよ!! い、いきなり何言い出すのよ! このアホチン!」

 リーファは叫びつつも、後ほんの数秒でも金縛りが解けるのが遅ければ……危うく自分の唇を奪われる所だったのだ。それを思うと、怒りもあり恥ずかしさもあり、その相乗効果で、先ほどのレコンの茹蛸とは比べ物にならない程赤くなる。まるで、ドラゴンブレスの直撃を受けたかのように、だ。その火力のままに、レコンの襟首を掴み上げると、右拳を更に数発程見舞う。

どかっ!ぼこっ!!ずどんっ!!!

 正直……このまま、完全にKOして倒し、マウントポジションにまで行くのか?と思える程の勢い。ここには審判はいないから、TKO負けも無い無間地獄へ……。

「うげっ!! はうっ!! ぎゃっ!! ご、ごめん、ごめんってばっ!!」

 乙女の怒り、鉄拳制裁を受けたレコンはベンチから転げ落ち、石畳の上で右手をかざして首をぷるぷると振った。……何度かの攻撃は、クリティカルヒット! と思える程、腰の入った一撃を入れれたこともあり、とりあえず 少し……少ーーーしだけ、スッキリしたリーファは攻撃態勢を解除すると、レコンは安堵しつつ胡座をかいて座り込んだ。

「いててて……、あ、あれ〜〜……? おっかしいなぁ……、後は僕に告白する勇気があるかどうかっていう問題だけだった筈なんだけど……、あの可愛いコも僕しかいないって……」
「……あん
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