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ソードアート・オンライン〜Another story〜
ALO編
第139話 兄妹
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開した時……、和人はその瞬間、素直にまた会えて嬉しい。と感じていた。それと同時に、如何にこれまでの自分は無意味な疑問で、彼女を遠ざけてしまったのか、と後悔もした。だから、囚われてあえなかった2年、そして遠ざけてきた数年間、それらを取り戻すために、接してきたつもり、だった。
……直葉の気持ちにまるで気付くことなく。
そして、それが直葉を傷付ける結果となってしまったのだ。キリトとしても、和人としても。
本来、直葉もその事は、もっと時間をかけて話すつもりだった。……感情のままに、ぶつける様な事はしたくなかった。だけど、もう限界だった。だから、思わず言ってしまったのだ。
『こんな事なら、冷たくされたままの方が良かった。それなら、お兄ちゃんを好きだって気づくことも……、アスナさんのことを知って悲しくなることも……、レイナさんのことを想って傷つくことも、お兄ちゃんの代わりにキリトくんを好きになることも無かったのに!』
直葉の叫び。それは、和人にこれまでの全ての事を思い知らされた。直葉の前で、アスナの事を語った事、涙まで流してしまった事。想ってくれている事も知らず、ただただ皆との約束の事ばかりで、彼女を見ていなかった事を。
和人は、直葉の部屋の扉に力なくもたれかかり、ずるずると廊下に座り込む。直葉も、ベッドに倒れ込み、嗚咽を漏らしていた。
このまま……、泣いたままで終わってしまうのだろうか?大切な人を傷つけたままで終わってしまうのだろうか?
いや、それは違う。
和人の中で、僅かずつだが芽生えてきた物があった。それは、あの世界で培われてきたもの。仲間達が、多くの人達があの世界で身を持って教えてくれたことを。直葉の為に、出来る事をしよう。……諦めないで、頑張ろう。その結果、何も変わらないかもしれないし、更に悪くなるかもしれない。だけど、このまま蹲っているのだけは嫌だった。
この世界でも……自分にとっての大切な友の1人が教えてくれた事だ。
『悲しむくらいなら、蹲ってただただ膝を抱えて泣くだけなら……行動をしよう』
そう、教えてくれた。自分は支えられ続けて、この場に還ってこられたんだ。だからこそ、ここで蹲ってはいられない。そして、何よりあの世界でも待たせている人だっている。
何処にも行くなと言っておいて、待たせている人だっているんだ。
和人は、ゆっくりと起き上がる。
……どれだけ時間が経ったかは判らない。けれど、しっかりとした足取りで立ち、直葉の部屋のドアをノックする。……力強く。
「スグ……、アルンの北側のテラスで待ってる」
自分でも驚く程落ち着いた穏やかな声だった。……それは、直葉も感じていた。彼女も罪悪感と自己嫌悪に押しつぶされてしまっていたのだから
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