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ソードアート・オンライン〜Another story〜
ALO編
第139話 兄妹
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あの男。現実世界では、やや痩せた華奢な身体、そしてスリムスーツを羽織っていたから更にその線は細く見える。その身体の一体どこにそんな力があるのか?と思える様な力で自分を抑えつけ、そしてこの世界へと連れてこられた。
だが、それはよく考えてみれば当然だった。
現実世界へと戻ってきてから、最低限度のリハビリしかしておらず、殆ど姉の明日奈の元へと来ていた。だから、基本生活は問題なくても、大人の男ともなれば敵う道理が無かった。
「………貴方は、貴方達は一体何がしたいっていうの?」
ただただ、侮蔑の表情を向ける。この世界へと連れ去られ、そして姉にも合う事もできず、閉じ込められてしまった。あの時、周囲に注意をしていなかったのが、一番の自分の落ち度だった。公共機関だったから、と言う理由が一番だろう。
「ふふ、私が望むのはただ1つだ。……私はね、君にも君の姉にも興味はない。須郷の研究も、確かに元々は私達の物……だった、が。今となってはどうでも良いんだよ」
この世界では、銀の髪とそして銀のマント、下地には装飾が細かに塗して施されている。そこからの輝きも銀色の光を放っている。……その容姿、どうしても見なくないのは彼女。玲奈だった。その色を、纏って欲しくない。その輝きは、あの世界でずっと見てきたものだったから。大好きな人のものだったから。
「私の望みは、あの餓鬼を……そして綺堂を地獄へ落としてやる事だ。……あの日、俺から全てを奪ったあの餓鬼と綺堂だ」
その造り物としか思えないこの世界特有なのだろう端麗な表情が思い切り歪む。憎悪の炎しかその瞳には写っていない。
「……当然の報いじゃない。あんな酷い事をしようとしたんだから。……それはただの逆恨みにしかならなっ……!!?」
「黙れ」
玲奈は、そう言い切ることは出来なかった。いつの間にか、接近を赦して、現実世界と同じ様にその首を握し絞められた。まるで万力の様な力。この世界でも、現実世界でも決して抗うことの出来ない
「お前に一体何が判る? あの研究は、先進国の全てが進めているモノだ。……あの場所を築き上げ様々な世界で認められる腕を持った人材を育て、その全てが消し飛んだ……。全てを消された。殺意が芽生えたとしても不思議じゃないだろう?」
皆が悪事をやっているから、その中で自分もやってみようと頑張った。
だけど、それがバレてしまい、そして止められて、更に台無しにされてしまった。
だから、それをした相手が憎い。
そうとしか聞こえてこない。
自分勝手で幼稚な子供の言い訳にしか聞こえない。……純粋に何も感じず、何も知らない子供が昆虫をバラバラにする様に、まるで他人の痛みが判らないままに大人になってしまったかの様に感じた。
《純悪》と言う表
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