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ソードアート・オンライン〜Another story〜
ALO編
第139話 兄妹
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高く、高く……、翅を広げ この空のその向こうまで。
手を伸ばして……、伸ばした先、あの空の光の先に、願った世界が、未来が、大切なモノがあると信じて。
そこは誰もいないアルンの空の上。その中で1つの影が、ただ一直線に空を目指して飛んでいた。
「……ここまで、か」
ぎゅっと眼を凝らしながら飛び続けて……そう悟った。判っていたんだ。この世界には様々な事に制限があり、その手が届かない先と言うものは存在している。
――……ここから先へは行けない。
目に見えない障壁で阻まれているからだ。世界樹はまだまだ上に伸びており、その頂上はこの見えない障壁よりも遥か彼方先だ。
「チッ……!!」
ずがんっ!
まるで、落雷でも落ちたのだろうか?と思われる程の衝撃音が周囲に迸る。ドラゴは、思い切り右拳で障壁を殴りつけた。その瞬間、強烈な磁石にも似た斥力によって拳が弾き返された。そして、波紋の様なものが拳を中心に広がっていく。
ゲームである以上、行ける場所・行けない場所があるのは当然だ。彼の職業上……判りきっている事だ、なのに何故……ドラゴはこんな行動を取るのか。
「……」
彼の頭から、あの助けを求める声が頭から決して離れなかったからだ。繰り返し、再生されているかの様に、あの声が頭から離れない。
「この上にいる。……判る、彼女はここに……」
ドラゴは、じっと空を、世界樹を見つめた。ゲームシステムと言う無機質なプログラム。デジタル・コードの奥に、温かいものが、……彼女の存在が伝わってくる。この2ヶ月の間、もどかしさは勿論あった。傍に綺堂と言う存在があり、救われていた彼だったが、記憶の喪失と言う脳内の異常にもどかしさを覚えない者など、いないだろう。この世界に来て、徐々に穴は埋まっていった。……ぽっかりと開いた穴を、その最後の欠片。
それが、この上にいる彼女だ。
「絶対に……助ける……。絶対に……」
心に刻み付ける様に、ドラゴはそう呟いていた。
〜????????〜
――……ここに連れてこられて一体どれくらいが経つだろうか。
この場所の印象は、真っ白な空間だったのが一変していた。並ぶのは複数の机と椅子、そして其々に備え付けられた一目で高性能な物だと判るPC。宛ら教室、と言った所だろうか?
出入り口は当然の如く、固く施錠されており、窓らしき場所から見えるのは青い空。見下ろすと、そこには真っ白な雲の様な物が見える。どうやら、空の上に設置された場所……、と言うのが判る。
「……ふふ、その景色、お気に召したかな?」
突如、扉が機械音を出しながら上にゆっくりと上がった。そこから入ってきたのは、
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