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ソードアート・オンライン〜Another story〜
ALO編
第138話 あの空の向こうへ
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ぐわないものだ。小振りな黒い箱。あのコンソールとは一回りも二回りも大きさが違うが……、纏う雰囲気は似たようなものだった。視てみても、ただのオブジェクトではないのは一目瞭然だった。
「ん……」
ドラゴはそれを手に取る。すると、まるで何かが作動したかのように、黒い箱は僅かな光を放ちながら、開かれた。
「っ……」
光は徐々に大きくなり……そしてドラゴの身体を包み込んだ。視界は真っ白になり、周囲に存在した色と言う全てが塗り潰された。
白い世界。
『また、会えたな? リュウキ君』
その世界の中で、あの声が聞こえてきた。あの時と同じ声。
「……お前か。生憎、まだ思い出せていない。お前が教えてくれる……と言うのか?」
ドラゴは、見えない相手にそう言った。……求めた答えが返ってるとは期待はしてなかったが。
『……私が教えるのは簡単だ。……だが、それでリュウキ君が思い出せるかどうかとは別の話。……だとは思わないかね?』
その声は、諭すようにそう言っていた。確かに、キリト達にあの世界での自分のことを言われたとしても……、思い出さなければ、それが今現在の自分がした体験だと、脳裏に刻まれたりはしないだろう。
あくまで、自分ではなく……別の誰かが、と言う認識をしてしまう可能性が高い。
『……私は、本当に感謝をしているのだ。私の世界があの者達に盗まれた。その上 私の世界で生き抜いた彼等をも盗み去ろうとした。……全てではなかったが、それを阻止してくれた君に。私は感謝している』
「……どういう事だ?」
ドラゴはその意味が判らなかった。私の世界……?と言う意味も、そして盗まれたと言う意味も。
『……全てを思い出す時は近い。あの空の先に、君の知りたった物がある。……だが、そこには悪夢も待っている。……それでも君は行くかね?』
「………」
目の前に知りたかった者があったとして、当然その前には困難が立ちふさがっている。それは、現実であってもゲームであっても同じ事だ。
「行くに決まっている。……ここまで来たんだ。オレに後退の螺は無い」
『ふふ、愚問……だったな』
楽しそうに笑った後……、周囲の白い世界が淡く光りだした。……恐らく、元の場所へと戻るのだろう。
『君の力を今度は傍観者として、見せてもらおう』
その言葉を最後に、周囲に色が戻っていく。元々居た場所に存在した緑が戻っていく。
「まさか……お前は……」
ドラゴは、感じたままに、その声の主に向かって声をかかる。現実世界では死んだとされている男。
されている、ではない。事実彼は見つかっている。そう、死体として。だから、有り得ないと思った。
だけど……、それでも。そう思っても。
「
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