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リリなのinボクらの太陽サーガ
開戦
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!」

リーゼロッテさんが飛びのいた直後、私が放ったピンクの砲撃が扉ごと壁抜きし、一気に大穴が開いて船倉までの道が通じた。これでわざわざ船内を回り道しなくても良くなったはずだ。

「よし! 時間短縮!」

「こらぁ! 何が『よし!』だ!? 救助しに来たってのに、船を壊す気かぁーーー!!!ってか、私を殺す気かぁーーー!!?」

「あぁ……建造物の耐久度とか考えず我が道を行く辺り、なのはさんって実は救助活動に向いてないかもしれないわ……。ぶっちゃけひたすら戦闘している方が余計な被害が……いや、砲撃の威力も考えれば逆に増えそうね。となると敵陣への特攻や突撃が最も適してるのかしら……?」

「なんか散々な言われようですけど、通れるようになったんですから早く救助しませんか?」

「そうだけど、一つだけ言わせて。あんたが言うな!」

憤慨するリーゼロッテさんの言葉を右から左へ受け流し、計算通りに船底には穴を開けないようにした砲撃痕を通って船倉へと降りていく。途中、通路の至る所に残る戦闘痕を無視してさっさと船倉で何者かに捕らえられていた乗組員と、護衛の騎士達、そして……少し離れた場所で気を失っているはやてちゃんを見つける。

「はやてちゃん! はやてちゃん!!」

「待って、なのはさん。あんまり身体を揺らさない方が良い、運ぶなら丁寧に優しく、ね?」

「は、はい……!」

「第二船倉の方も、アリアが艦長を救出した。どこかに暗礁する前に船のアンカーを降ろしてから、脱出するよ」

その後、言われた通りに作業をこなしてから、チェーンバインドを上手く活用してはやてちゃんや乗組員の人達を甲板まで引っ張り出していく。怪我を負った騎士達はリーゼ姉妹が応急処置し、ひとまずタンカーにいた全員の無事を確認する。

「ところでどうやって全員を陸まで運ぶんですか? 一人ずつ抱えてせっせと運んでいくんですか?」

皆を運んでいる途中、ふと気になったのでリーゼ姉妹に尋ねてみると、彼女達は呆れたような目で見てきた。

「んなわけないでしょ、何のために私達が来てると思ってるの?」

「人手不足だからでしょうか?」

「ある意味そうだけど、そうじゃないわ。私達は転移魔法が使えるからよ、それでこの人達を一気に安全な場所に送るの」

「……あぁ〜!」

「理解した? 転移魔法は人を運ぶ時に経路の危険も少なく、時間もかからないからトップクラスに便利な魔法だしね。地球でいうフルトン回収システムを次元世界流に変えたようなものだと言えばわかりやすいかな」

「フルトン……?」

なんか最近ではワームホールが出てきそうな名前だけど、私はフルトン回収システムの事を知らないから、適当に相づちを打つだけにしておいた。それにしても転移魔法か……
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