開戦
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はさんみたいな子の扱いは、教導時の経験で何とかなりそうだ」
「……な〜んか癇に障る言い方ですが……とりあえずお礼を言っておきます」
れっきとした大人であるリーゼ姉妹にとって、私はどこまでも子供扱いされてる気がする。確かに年齢的にはしょうがないけど……むしろ、これでも融通を利かせてくれてるのかな?
「なのはさんも行くのなら早くしよう。ヤガミのいるタンカー、ちょっとヤバいらしいし」
リーゼロッテさんが急かした事で、一旦話を切り上げた私は彼女達と共にアースラから出発、ミッドチルダ北東部の海上を漂流するタンカーへと飛翔する。目的地に着くまでの間、私ははやてちゃんがどうして単独任務を行ったのか、リーゼ姉妹からその理由を短く教えてもらった。ちなみにリーゼ姉妹が事情を知っているのは、聖王教会からの救助要請を受けた時に色々訊き出したからだって。
「騎士の階級……それを手に入れるために、はやてちゃんは一人で……」
「変な事を考えない内に私から言っておくけど、これはヤガミ自身が選んだ事だ。あなたが責任を感じるのは筋違いよ」
「で、でも……私も一緒に行ってたら、こうならなくて済んだんじゃ……!」
「あんたがそうしたら、ヤガミが単独任務をした意味が無くなる。そしてあの子が守ろうとしたものは失われてしまう」
「そんなことは!」
「無い、と言いきれるの? なのはさん、何のためにヤガミが戦ったのか、あなたはちゃんと理解している? ラジエルが長年戦い続けてきた“裏”の手強さを知ってる? ヤガミはあなたとは違う。公的にも清潔な立場で本局でも期待されてるあなたと違って、ヤガミは闇の書の主として次元世界から未だに恨まれる罪人扱い。片や管理外世界で起きた事故をきっかけに魔法に触れ、眠っていた才能を目覚めさせて管理局と共に事件を解決した少女。片や次元世界で無数の災厄を招いたロストロギアを管理外世界で抱え込んでいた少女。全ての真相を知らない世間にとって、あなたとヤガミに対する認識は今言ったような違いがあるのよ」
「…………」
「テスタロッサ家もSEEDの件で判明した事実から、情状酌量の余地があるという事でいくつか罪が緩和されたりしたけど、境遇的には似たようなところがある。友達だ何だと言っても、その関係が決して平等であるとは限らない。つまり……高町なのは、あんたはフェイト・テスタロッサ、八神はやての2人と比べると、格段に恵まれているわけ」
「私が……恵まれている……?」
リーゼ姉妹に言及された時、私は一瞬理解ができなかった。いや、理解しようとしなかったのかも……。飛行中でも身体がマヒしたように固まる中、私は何も言えないままリーゼ姉妹の言葉を聞き続けた。
「テスタロッサ姉妹はかつて事故で人としての命を失ったり、人造魔
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