開戦
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あって、犯罪者への対策会議をしているのではない」
「だが魔法が使えないのなら代用となる戦力が必要だ! 変に固執して敗北を招くよりはマシだろうが!」
「なんだと言わせておけば!!」
「やんのか貴様ァ!!」
「お二人とも、喧嘩している場合ではありません!! 私自身、質量兵器についてはあまり良い印象を抱いていないので、正直に申しますと……この策もあまり推奨はしたくありませんでした。そこで……もう一つの案を用意しています。そちらは質量兵器を使わないで、ファーヴニルと戦うための策です」
「なんだと!? ならなぜそちらを先に言わなかった?」
「……個人的な事情です。それよりこちらの策について説明すると……ファーヴニルは恐らく周囲の総エネルギー数が一定値を超えた時、自らの強化のために吸収を行うと見ました。となればその絶対値を越えないようにすれば、魔力を吸収されずに魔導師でも戦えるはずです」
「なるほど……つまり制限された人数であれば、魔導師でもファーヴニルと戦えるという事か。火力や人数不足などの不安が残るが、それが最も我々に都合がいい戦術だな……」
「では、ファーヴニルとの戦いではこの案を採用するという事で、異論は無いか?」
『異議なし』
「チッ……異議なし。本局の意地とやらを見せてもらうぞ」
「では地上も含めた満場一致で、可決とする!」
「ってな感じで、上層部との話がついたわ」
「なんか……管理局の人は質量兵器って聞いた瞬間、アレルギー反応みたいに嫌ってますね」
停留中のアースラに戻ってきたリンディさんに会議の内容を教えてもらい、私は率直な感想を漏らした。多分、何も知らないまま管理局のやり方に倣っていたら、私もいつの間にかそういった思想に染まっていたかもしれない。サバタさんの武器である大剣や麻酔銃、マキナちゃんのPSG1の事を考えると、質量兵器であろうと一概に否定は出来ないと思う様になってる。私にも少しは柔軟性が出たってことかな。
「でも本当はこの形にする気は無かったのよね。実際は両方の策を同時に決定する事で、あらゆる状況に対応できる戦力の充実化を図ったつもりだったんだけど……やっぱり一昔前の私達みたいに本局は質量兵器を受け入れられそうにないか」
「そう考えると、ラジエルはどうしてあんな簡単に質量兵器の使用を決められたのだろう? 彼らも管理局法を知った上で魔法を用いているはずなのだが……」
「あそこの人達って規則や偏見にとらわれず、自分達の眼で見て、自分達の頭で判断しているからね。ま、そうしないといけない状況を何度も潜り抜けてきたからこそ、あんなふうに気持ちの切り替えが上手なんだね。あの人達みたいな柔軟性を、本局の頭のカタい人達にも身に付けて
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