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歌集「春雪花」
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 涸れ果てて

  想いに焼かれ

   来ぬ君を

 待ちてやわれの

    この身虚しき



 涙が涸れてしまう程に恋しく想い、その想いに焼かれてしまう程に彼を愛しても…私の元へは来てくれるはずもなく…。

 こんなにも彼を待ち望む私は…なんと虚しいことだろう…。

 願いは届かず…祈りは儚く霧散するだけなのだ…。



 想われぬ

  われの何ぞ

   尊きか

 命も躯も

    塵と等しく



 命は尊い…そう人は言うが、愛しても想い返されない私は、一体何が尊いのか解らない…。

 私のこの命も躯も、所詮は塵と等しく…全く尊いものなぞないではないか…。

 ただただ…死を待つ骸の如く、淋しく世を眺めるだけだ…。




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